これはプロのバレエダンサーになることができなかった私への供養。
どこにも吐き出せないままだったことをここで供養します。
幼い頃から、それこそ物心つく前からバレエを始めてすぐに虜になった。何がとかどこがって言われても言葉で表すのはとても難しいくらいに大好きで、すぐに将来の夢はバレリーナになった。
舞台に立つことは私にとって当たり前で、日常だった。
だけど、私には覚悟と強さが足りなかった。
プロになるには10代後半が最後の別れ目。
でも私には絶望的に才能や技術、覚悟や精神的な強さがなかった。
成長に伴う体型の変化にも順応できないままなのに、周りにはなんと才能あふれる子たちがいることか。
人生の全てを捧げて挑んできた。でも現実は甘くない。
あの子達には叶わない。舞台を見て、舞台に立つことが
「憧れ」に変わった瞬間だった。
その時から私はもう、プロにはなれなくなった。「当たり前」が「憧れ」になってしまったらもう、そこにはもう行けなくなってしまう。
幼い頃から人生を捧げたプロのバレエダンサーの夢を諦めて、普通に大学いって社会人になった。それなりに幸せだと思う。
本当にバレエが大好きだった。
もう一度人生をやり直せるなら、私は迷いなく今の生活がなくなると分かっていても、バレエの道を行く。今度こそ、何があってもプロになる。
でも、諦めたからこそ今の生活がある。大好きな人がいて舞台を観劇して、怪我を気にせずどこにでも行ける。