幼少時の私、泣く顔が面白いと言って親に叩かれ笑われ、絶望して泣いてる私。幼い私を抱きしめて両親の元から連れ出してあげたい。辛かったね、あなたは何も悪いことなんてしていないよ、こんな扱いに値しないよ、大切な大切な子どもなんだよって。
幼稚園の頃の私。すでに家庭内でのストレスのため不眠症になり、夜泣いていた私。眠れないことを叱られ、夜明けに親が目覚めるのを待つ私。不眠の疲れが出たのか、難病にかかって入院して高熱嘔吐を繰り返しても、母に叩かれると思って泣いている私。病院で吐いても叩かれなかったことに安堵して泣く私。入院中一緒にいると約束してくれたはずの母がいなくなることに、やっぱりかと思う私。あなたの側にいてあげたい。辛かったね、苦しかったね、寂しかったね。抱きしめて、好きなものを買ってあげて、ずっと側にいてあげるよ。
近所の友達にいじめられていたら、父から家に引っ張って行かれ、情けないとビンタされる私。何度も感じた羞恥心と絶望は深く深く刷り込まれて今でも何度も戻ってくる。あなたは悪くなかったんだよ。普通親は子どもをまもるんだよ。虐める者から何としてでも守るんだよ。あなたのせいじゃない。恥ずかしく思わないで大丈夫。恥ずかしいのはあなたの親だよ。
算数がなぜ分からないと長い時間母に怒鳴り殴られ続けられる小学生の私。もう恐怖で何も理解できない。あなたのせいじゃない。あなたの知能指数はとても高いしきちんと努力もできる子なんだよ。怖くて当たり前。あなたはそんな扱いに値しないんだよ。算数セットを母にぶちまけて怒鳴ってやりたい。6歳の子どもに何やってるんだって。あなたの娘はあなたよりの付き合う誰よりも学業を達成していくんだよ、恐怖心だけ植え付けるような虐待をよくもしたなって、警察に引き渡してやりたい。泣いて震えてる私を抱きしめて、安全な場所へつれて行ってあげたい。
誕生日プレゼントもクリスマスプレゼントも私のものだけなかった。食べ物が足りずお腹が空いて台所で食べ物を探すとゴキブリだと言われ暴力を振るわれた。食事も抜かれ、兄弟が食事するところを強制的に見させられることもあった。愛されないのはお前が悪いと日々言われ続けた。母があまりに残酷なので、母は鬼なのだと子供心に思うようになった。父も手を出すし残酷な性格だったのに、父に救いを求めてしまい、救いどころか追い討ちをかけに来たようなことがあったときには、気が狂いそうになった。
中学生になると、育った環境が悪すぎてすでにあらゆるものの恐怖症になっていた。塾に行くのも怖くて、一度サボっていると外で母と鉢合わせた。髪を掴んで車の中に引きずり込まれ殴られ続けた。塾に行くのが怖くなっているような育て方をしたのはお前だろう。よくも子どもの尊厳を踏み躙る行為を日々繰り返したな。母が私の髪を引きずる手を握り潰してやりたい。娘に謝れ、と言ってやりたい。誰とも目を合わせられなくなった私を抱きしめて、絶対に大丈夫だから、一緒にできることをやっていこうと励ましてあげたい。栄養の整った食事もきちんと与えられていなかった私に、きちんとした栄養のある食事を与えてあげたい。たくさんきちんとケアをしてあげて、大切な存在なんだとうことを染み込ませてダメージから回復させてあげたい。
高校卒業して家を出るときには私の精神はもうボロボロになっていた。それでも親の学歴は超えていく目処がついたとき、身長も母と同じくらいになったとき、ついに身体的な虐待は止まった。虐待は止まっても、母が近づいてきただけで私は咄嗟に頭を覆った。無意識に殴られると思ったんだ。
セラピーでトラウマになった瞬間にフォーカスをすることがあるけれど、私の生育歴はトラウマがありすぎて焦点を絞ることができない。それでも、幼少期から学生時代まで、人間としての尊厳を踏み躙られた瞬間一つ一つを癒していければ、刷り込まれた強烈な恥や絶望の感覚から自分を救ってあげられるかもしれない。
そのつもりだったけれど、昨夜私は生きていて一番初めに死にたいと思った子どもの頃の自分のところへ行って望み通り死なせてやりたいと思ってしまった。強烈な恥や絶望感が何十年経っても結局自分から離れず自分の人生をめちゃくちゃにしてると感じたから。
父母、あなたたちはとんでもない親だったね。それでも生かしてくれてありがとうと言うべきですか。お金を出してくれてありがとう。償いの形でもあったのは分かっている。あなたたちの人生の背景を知っても、どうしてもあそこまでの残虐さの理解はできないけれど、私はあなたたちを許すと決めたよ。自分のためにね。それでもこの恥と絶望の感覚や精神の故障はよくならないんだけれど。
この残酷さは私の代で止める。あなたたちの境涯もきっと地獄だったんでしょう。あなたたちは内省するようなインテリジェンスも教育の機会もなかったけれど、経済革命をしてくれた。だから私は教育のチャンスが掴めた。私はバトンを渡され、精神革命をするのが、私の使命だよね。虐待の後遺症でありとあらゆる道が閉ざされているように感じるけれど、諦めることができないんだ、私の愛する人たちのために。