死にたいは旅をすることにした。
「自分が何ものなのか探しに行こう」
時に疎まれて
時に抱きしめられて
死にたいは色んなものに変化していく。
悲しみ 怒り 憎しみ
喜び 温もり 幸せ
生きていたくない
消えたい
助けて
死にます 死なない 大丈夫
「自分は感情や思考と呼ばれるようなものだろうか?」
死にたいは居場所を求めて
もっと、深くへと、旅を続ける。
宿り木が枯れないように。
要らないものではないはずだと信じて。
自己の証明を。
「いつか君のもとへ帰ろう。
生きるための存在となって、君の力になろう」
死にたいは旅をする。
絶望の海を乗り越えて
希望の光へと転じるような
そんな旅を──