生まれて来てごめんなさい。
これは祖母に対する後悔の思いです。
私が2歳の時に母が難病で亡くなりました。
それからずっと祖母に育てられてきました。
私の父は仕事が忙しく単身赴任で週末にしか帰って来れません。
祖母は戦争の苦労も継母からの虐待の苦労も、結婚してからのお金の無い苦労も、沢山の苦労をしてきた人です。
性格は愛情深く、優しく、かなりの心配性で、子供の頃の私は時にその愛情をとても鬱陶しく思っていました。
また祖母は容量良く家事を一人でこなし、そんな祖母に甘えるばかりでろくに手伝いもせずずっと負担を掛けるばかりでした。
ちゃんとお手伝いする様になったのも最近の事です。ごめんなさい。
最近の祖母は自分の体の衰えを感じ、もう死期が近いとよく零します。
「死んで○○(私の名前)と離れるのが一番寂しい」
それが嫌だと言うのです。
私には姉がいます。父が居ます。父には兄が、その兄には奥さんと2人の子供がいます。
沢山の家族が居る中で祖母は私と離れることが一番嫌だと言うのです。
ずっとずっと迷惑を掛けてきた、碌でもない孫の私を選ぶ程に寂しい思いをさせてしまっているのだと思うと、とても申し訳なく思います。ごめんなさい。
そんな祖母につい最近言われたのです。
「自分の人生は誰かに尽くす為にあった。そう思って死にたい」と。
これは長く大変な思いをして来た祖母が、自分の人生に納得する為の言葉でした。
それに対して私は何も答える事が出来ませんでした。ただ席を立って隠れる様に泣きました。
沈黙を続ける私に「肯定して欲しかった」と呟きましたが、その時祖母が一体どんな顔をしていたのかはわかりません。
祖母は私と姉を育てる事になった時、趣味でやっていたお稽古の先生になるタイミングでした。
ようやく自分の人生を楽しむ事が出来るはずだったのに、それを蹴って私たちを育てる事を選んだのです。人生を奪ってしまって本当にごめんなさい。
そして父が今でも再婚せずにいるのは、祖母が継母から受けた虐待の経験から、私たちが同じ目に合わない様に父に再婚しない様お願いをしたからでした。
祖母は父に可哀想な事をしてしまったと話してくれました。
いつもいつも思います。どうして祖母に楽をさせてあげられ無かったのか。どうしてもっと良い子になれなかったのか。こんなに優しい人に育てられたのに。
大人になってから気付いて後悔ばかりしています。
私が生まれてしまったばかりに、しなくていい苦労をさせてしまった事が辛くてたまらないです。本当に本当にごめんなさい。
あなたに育てて貰えて良かったです。
心から感謝しています。
それでも苦労をかけてしまった事を思うと、どうして私なんかが生まれてきてしまったのだろうと思うのです。
私の手を握って死にたいと思う事、握られて気持ち悪いなんて思うわけないじゃない。
そう願うのなら叶えてあげたい。
おばあちゃん、今までごめんなさい。
おばあちゃんはよく「私があなた達の母親だから」と言ってくれましたね。それなのに薄情な私は、声も顔も思い出せない母親を思うと頷く事も返事をする事も出来ませんでした。
悲しい思いをさせてごめんなさい。大好きです。
今度私から「私のお母さんはおばあちゃんだよ」と言わせて下さい。
名前のない小瓶
135922通目の宛名のないメール
Notice: Undefined variable: warning_message in
/var/www/vhosts/blindletter.com/httpdocs/view.html on line
1060
お返事が届いています
ななしさん
そんだけあなたが好きだったんだよ、一つの癒しなんだろうね
ななしさん
素敵ですね。おばあちゃんは自分のやりたいことを犠牲にしたのはあなた達を愛してたからだと思います。義務とかじゃないと思います。
おばあちゃんは君たちが幸せになるのを今でもきっと一番望んでいると思います。
幸せになってください。それがきっと恩返しです。
ななしさん
素敵なおばあちゃんに育てて頂きましたね。
私も祖父母に育てられたのに、お礼も言わないで、お別れしました。
後悔のないよう、おばあちゃん孝行してあげて下さいね。
ななしさん
あなたの思いとおばあちゃんの思い、双方に心を打たれます。
あなたは優しい子に育ちました。
どうか思いを伝えてください。
ななしさん
言葉にして伝えましょう。
お亡くなりになってからでは遅いですよ。
生きていらっしゃる内に如何に凄い人なのか、褒めて褒めて、感謝を言葉にして毎日伝えましょう。
それでも称えきれないくらい、普通の人では出来ないことをお婆様はやり遂げたのです。褒めてもらえないなんて可哀想です。
ありがとう
あなたのおかげ
大好き
私もずっと一緒にいたい
手を握って、笑顔で、言葉で伝えましょう。
母親がお腹を痛めて産んで、2歳まで育てたことはかけがえのない事実ですが、自分の人生を後回しにして手間とお金がかかる3歳から育てて貰ったことも事実。
あなたには産みの親と育ての親、母親が2人いるのですよ。自分の子供ではないのに、愛情かけて育てたことは、もしかしたら産みの親より凄いことなのかもしれません。
私は今4歳と0歳を育てていますが、子育てって本当に大変です。頑張って育てた可愛い可愛いあなた様から感謝の言葉のシャワーを浴びたら、私なら魂が救われる気がしますよ。
以下はまだお返事がない小瓶です。
お返事をしていただけると小瓶主さんはとてもうれしいと思います。