憎い。もう憎くて憎くて堪らない。
他人を自己満足で
助けようとする人間が憎い。
それで他人が助かれば
何も問題はないが、
大抵はさらにこじれる。
今まで頼みもしないのに受けた
わたしの問題についての言葉について、
ひとつもわたしのためになることは
なかった。
自主性をぐらつかせて
共依存になったり、
正論で殴られたせいで
自責がひどくなったり、
見当違いの意見で
さらに孤独感が強まったり。
わたしにも落ち度はあった。
心の内の話を、
自分の心と向き合っていない人に
すべきではなかった。
自分も助けられない人間は
他人の問題もややこしくする。
当然だ。
問題の解決方法が間違っているから、
自分を救えないのだ。
ここまで傷を残しておいて、
当人は満足げな顔をするのが
逆鱗に触れる。
「人助けはいいことだ」
「自分は人の役に立てる」
「正しいことを教えてあげた」
暴力をふるっておいて何を言う。
結果なんかどうだっていいのは
知っている。
大事なのは善をなすこと。
それで他人がどう苦しもうが
興味がない。
お前なんかに頼ったから
わたしの貴重な時間が
無駄になったんだ。
どれほど苦しんだか理解できるか?
できないよな、
軽々に他人の問題に
口を出すような阿呆には!
許せない。
くだらない欲求のために、
わたしの体力も、気力も、
尊厳も辱めておいて、
のうのうと善人面して
生きているなんて。
さぞ気持ちよかったでしょうね。
感動ポルノがあるなら
人助けポルノもあるだろう。
わたしは使われた。
消費された。
よく効いたよ。
自分の一番深い傷を玩具にされた。
これ以上の辱めがあるか?
助けられる力もないのに
助けようとして
足を引っ張るなよ。
こっちは死ぬか死なないか
ギリギリのところで生きてる。
だからもう、他人に
心の内を打ち明けることは
一切しないと決めた。
他人の不幸は蜜の味、
まだ不幸を喜ばれた方がましだ、
相手の行動は悪だから。
ふざけやがって、
何が善行だ。
専門家の本だけあればいい。
素人の考えなど毒でしかない。
でも教えてやらない。
もっともっと、
自覚のないまま、
他人を不幸にしていけばいい。
そうして、
いつか一番大切な人を
自分の手で傷つけるだろう。
しかも、
自分のせいだと理解する日は来ない。
最高の呪いじゃないか。
わたしの受けた苦痛と、
その苦痛をどうにかするために
支払った苦痛に、
それならようやく釣り合うだろう。