思春期の頃、特定の女性と深い関係にならない男性キャラクターに憧れた。
私は女だけど、大人になったらこういう魅力的な存在になる、って決めてから、そうできるまで時間はなかったけど。無事になることはできた。
思い描いていた理想像と違ったことは、私が、何人かいた遊びの男の子の1人を本気で好きになってしまったこと。
私の好きだという気持ちを、何度もはぐらかされたこと。
調べてみたら、肉体関係から交際に発展することはない…特に、女性が男性に惚れた場合は、なんてことがわかった。
好きにならなければ楽しい遊びだったのに、辛い時間になったし、打ち明けたら関係が終わるかもしれないと思っているうちに、その男の子は結局、私みたいに肉体関係から始まったわけじゃない馴れ初めの女の子と真剣交際を始めた。
遊びを楽しみたいって気持ちは平等なはずなのに、どうして、遊びとそうじゃないみたいなのを顕著にわけるの?みみっちい。なんて思う一方で、自分には価値がないのだと強く思わされた。
私はただ、憧れたままに遊んだだけ。なのに気づいたら男の子たちに「本命としてナシ/アリ」なんて判別をつけられていた。
それが悔しかったのもあるけど、相変わらず遊びたい気持ちは残っていたし、彼が特別だったのか、他の男の子を好きになることはほぼなかったし、逆に告白されたりすることがあったら「あなたのこと恋人として見たことない」なんて思ったりもした。
そんなことを繰り返していたら、少し気になる男性に出会って、またやっぱり告白より先に肉体関係を持ってしまって、「昔と同じルートを辿るのかな」なんてしょげていたら、告白してくれた。
待ち望んだことのはずだった。付き合いたいと思った人から、好きだと思った人から、そんな風に言ってもらえること。
それなのに、心の底から喜べないどころか、猜疑心が拭えない自分がいることにすごく嫌気がさした。
私は、交際するなら遊びの相手を全員切るつもりだし、彼もそうしてくれると思ってた。
だけど、彼は本当に普段何しているかわからないし、交際したからと言って何かが特別に変わったわけじゃない。
ただ単に、私が別の誰かと関係を持つのは嫌だから交際という言葉に閉じ込めただけなのかな。
あなたが遊ぶなら、私もそうする。
だってフェアじゃないし。
告白してくれたのは嬉しかった。好きだとも今でも思ってる。
だけど、あなただけが変わらずに別の人と関わり続けることが許されるのは理不尽なように思う。