これ以上防衛機制とやらに生温く縛られてるわけには行かないんだよ。
もう使い切った、十分だ。
ずっと自分への言い訳に過去を使って繰り返して、
開き直って嫌いだった「そういう人間」に成り下がって、
一番自分を駄目にしていたのは自分だったじゃないか。
今のお前は一体誰だ?
あれほど欲しかった人並みの精神は手に入った。
で、このざまか。
とんだお笑い草だね。
人は良い方に変わるのは難しいが、悪い方へ流されるのは容易いよな。
昔よく言ってたようなことだろ。
自ら体現するなんてさ、思っても見なかったね?
生きやすいな、確かに。
だが欲しかったのはそんなものじゃなかった。
自分はただ、毎日自分自身を無為に消費して摩耗させて過去の自分のイメージ通りどうしようもなくなったんだ。
取り返しはこれでつくのか?
まあ十中八九間に合わないだろうね。
だけどそれだって決めつけだ。
精一杯足掻いてやるよ、底辺からな。
ここから見た景色は、水平線上はぐちゃぐちゃでも見上げれば全部綺麗なんだ。
あとは這い上がるだけだ。