精神科に緊急入院して、スマホもなし、ヒモのついた衣類ダメ、尖ったものダメ、差し入れも全て担当医や看護師のチェックが入る。家族以外の電話はダメ、など、ほとんど何もない環境で過ごしていた。
患者さんは、この環境が苦痛で早く退院したいという人がほとんど。
私は、その環境がとても落ち着いたし、訳あって家には帰りたくなかった。
半年ほど入院していた。
一か八か帰ることになった。
思っていたほど大きなパニックもなく、なんとか普通にすごせた。
不思議だった。
トンネルのような、暗闇の迷路のような数年間とは、少し違う景色だった。
モヤがはれたような。
頭の暴走がなくなったような。
俯瞰してるみたいな。
よい方向に変わったのだと感じた。
うれしかった。
でも、以前よりも悪化のスピードが早い。
普通に過ごしていても、少しでも積み重なると、凄い勢いで負のスパイラルに陥る。
短い時は、ほんの数分で溺れるように感情の波にさらわれ、気がついたら景色が灰色になって、頭には死ぬ方法が浮かび上がる。
辛い。苦しい。痛い。
体がちぎれそうな苦しさに見舞われる。
薬を変更してみたり様子を見ながら増やしてみたり。
先生はいろいろ考えてくださる。
死にたい。
そう思うけれど。
今は、苦しさを吐露できる場所や人がいる。
居場所を提供してくれる場所にも繋がれた。
だから。
うっかり自殺してしまわないように。
必死で自分をモニタリングしたり。
鬱状態で必死に普通にこなそうとしたり。
しなくても。
助けて。と。
言ってみることも。
出来るのかもしれない。
あの時とは。
雲泥の差だなぁ。
苦しさは、まだまだ威力を保っているけれど。
私は。
一人ではない。
その事が。
少しずつ。
実感できるようになった。
楽しく生きれるようにという先生の話を。
異世界のように感じていたけれど。
そんな道も。
あるのかもしれない。
死にたいままでいいから。
このまま歩いてみようかな。
入院して良かったのかもしれない。
病棟で出会った人は皆、私に暖かく接してくれた。
親身になって、接してくれた。
私が、私でいられた。
療養。出来ていたのだと思う。
全ての人に感謝を。
ありがとう。