今日、卒業した先輩が夢に出てきた。(先輩が部活を卒業した。の小瓶に出てきた先輩です)
懐かしくて涙が出た。
それから先輩との思い出を思い出した。
本当に、尊敬している先輩だった。
姉のように慕っていた。
今思うと僕が冗談を言える唯一の人だった。
先輩は、明るかった。いつも楽しそうに笑っていた。でも、先輩は本当は苦しんでいた。先輩は、親に捨てられていた。祖父母に育てられていた。
みんなに迷惑をかけたくなかったからだろうけど、僕にだけ教えてくれていた。
「まあ、もうずっと前のことだから気にしてないんだけどね。」
確か、こんなことを言っていいながら笑っていた。
気にしてない、と言っていたけど気にしているのは明らかだった。
先輩は同情されるのをのぞんでいない。
人が苦しむ姿は見たくなかった。
僕ができることは、先輩にそのことを少しでも忘れられる時間を作ることだけだった。部活でできるだけ先輩と話して、楽しいと思ってもらって、忘れてもらおうとした。
効果があったかはわからないけど。
キャラも作った。その先輩にだけだけど。
個性が強めで、ちょっと生意気な後輩になった。それが先輩とはなすのにはちょうどいいキャラだったから。
最後に「なずなちゃんと話してる時、すごく楽しかった。」って言ってくれた。
僕は、「あっ、本当ですか?嬉しいです。まあ、私と話していて楽しくないはずがないですよね〜」って返した。
先輩は、「そういうところ、なずなちゃんっぽいよね。面白い。本当にあなたって、面白いな。」って言ってた。
失敗はしてなかった。たぶん。
僕が部活に入った最初の方は無理して笑ってたけど、だんだん本当に笑ってくれるときが増えた。
少しは、恩返しができたかな。