中学の頃、私はものすごい反抗期だった。
父も母も過干渉で、子どもの前で夜中まで夫婦喧嘩もしょっちゅう。朝も夫婦喧嘩。近所に聞こえるほど怒鳴り合って物に当たったりひどかった。両親は品行方正な子どもを求めていた。当時の私は不良に憧れ、でも不良になりきれず、性格は目立ちたがり。お世辞にも品行方正とは言えない。私のやることは全て気に入らなかったのだろう。優秀ないとこや知り合いの子としょっちゅう比べられた。
両親は家族で近所のホームセンターに出かけて買い物をしたがった。だけど私は親と出かけるのが嫌だった。ある日、逆らえなかった私は嫌々ながらついて行った。私が住んでいたところは田舎で、そのホームセンターがひとつしかなくて、知り合いにたくさん出会う。親と一緒に買い物をしているところを見られたくなかったので、離れた場所に行き、一人で買い物しているふりをした。しかし親は店内で大声で私を呼ぶ。ものすごく嫌だった。部屋が暑いから扇風機を買ってほしいと言ったら「そんなものいらない」とすげなく却下され「お前は朝起きないから目覚まし時計を買う」と馬鹿にしたように笑って言われた。欲しいものは買ってもらえず、それほど欲しくないものを与えられ、感謝しないお前は横柄だと言われた。店の向こうから歩いてくる父や母の姿が鬱陶しくて、その場から逃げたかった。
大人になった今。
平日仕事に追われているから、週末は家族とゆっくり買い物に行くのが両親にとっての癒やしだったのだろう。両親にとって理想の子供ではないけれど、愛情のかけ方は間違っていたけれど、子供と過ごしたかったその気持ちはわかるようになった。
今の私は反抗期の息子に悩みながら生きている。
そっとしておくしかないんだろう。
今は口出しせず、見守るのが一番なんだろう。