私の過去の話をします。
私が不登校になったのは高校生のときです。
中学生の頃まで勉強が得意だった私は進学校に進みました。親は元々勉強に力を入れていて、小学生の頃の私は毎回難しいドリルを解かされ間違えて怒られていました。中学の頃は優秀で親はよく褒めてくれました。親の言いつけを守り、嘘も陰口も一切言いませんでした。
高校生になった私は勉強についていけませんでした。宿題や予習を出せないことでクラスの人や先生にからかわれました。頑張らなければと頭では思うのに、空回りするばかりで勉強を頑張れませんでした。挙句の果てに答えを移して、宿題を提出しました。
先生にそれがバレて皆の前で怒られたとき、どうしようもなく惨めで恥ずかしかった。嘘をつかないと決めていた私の矜持を曲げていた自分自身が嫌いになりました。
一度部活動で大きな仕事を任されました。しかし、赤点を取った者は部活動禁止の決まりがあり、そのせいで色々な人に迷惑をかけました。特例で許してもらえたとき、「ありがとうございます」と言ったら「ごめんなさいだろ」と言われました。私は重要な役割を避けるようになりました。
司書さんに頼まれて図書室で昼食を食べました。不登校気味の子と仲良くして欲しいと言われて、私は教室の友人を断ってその子と食べるようになりました。その1年後、図書室でご飯を食べないで欲しいと言われました。教室にもはや居場所はなく、貴女が最初に言いだしたのだろうと責めたくなりました。大好きな司書さんでした。大人はよく嘘をつくし矛盾だらけです。司書さんにも事情があるだろうにそう思ってしまう自分が嫌でした。
私には小学校から高校まで仲良しの親友がいました。彼女はライバルでした。しかし高校で大きく差がつきました。彼女は腐らず勉強も頑張って、生徒会で文化祭を成功させ、友人を作り、部活動も練習を手を抜かず頑張っていました。私はそのどれも出来ませんでした。私は彼女のことが大好きでしたが劣等感で苦しかった。自分のことを客観的に見るなんて惨めになります。私は全部から逃げたくなりました。
先生が宿題を出さない私に最後のチャンスをくれました。この課題を期日までにやり遂げ無ければ見捨てると言われました。私は泣きながら約束しました。結局その課題はめくることすら出来ませんでした。怖くて不安で苦しくて。それからその先生には無視されるようになりました。その先生に対する憎しみとそれ以上の自分に対する失望がありました。
親は何度も私の宿題を手伝おうとしました。しかし、私はそれが嫌で惨めでした。親の字で書かれた宿題を出すたび、自分のちっぽけなプライドが削れていくように思えました。それを親に相談しましたが、手伝いを断れるのは出来ている人間だけだと言われました、嫌だったら一人で出来ると証明しろと言われました。正論でした。ただ、親は正しさの味方であって私の味方ではないと、そのとき思ってしまいました。
黒板に書かれている文字の意味はわからず、当てられることに怯え、誰に頭を下げて予習を写させてもらうかばかり考え、テスト訂正の負債が増えていくのを恐れる毎日は私を削っていきました。
塾にも通わせてもらいましたが、塾講師との約束の時間が怖く、また何故か約束を忘れてしまう(メモなど努力したがこの時期は特に忘れ物ばかりしていた)ため親のお金の無駄になりました。自主室に行っても勉強する気になれず、隠れてスマホを見ていました。中学生の頃は自然にできていた勉強するという行為が何よりも面倒くさく、怖かった。
学校を休みがちになりました。月曜日提出の宿題を出せなかったから。親には仮病を言いました。嘘をつきました。でも、そのうちそれもバレて「だから宿題を手伝うと言っていたのに!」と怒られました。そういう問題ではない、当時はそう思いました。
もう何も信頼出来ませんでした。教室も学校も先生も怖かった。なんなら親も怖いけれど、自室こもって泣くぶんにはましです。
親は私を無理矢理学校に連れていきました。車で送るのです。私が車から降りれず泣いて二時間たっても家に帰してはくれませんでした。丁寧に作ってくれたお弁当を家で食べるたび、親のため息が聞こえました。
私が明日は学校に行けそうと言うと、親は喜びました。その当日になると、どうしても行けなくなりました。親はには嘘つきと言われるようになりました。お前の言葉は軽いと言われました。先生に連絡が恥ずかしいとも。
行ける日は何度も教室に途中参加したり保健室登校もしました。担任と面談もしました。でも私は無理でした。両親は泣いたり喧嘩をしたりしました。私の部屋にもそれは聞こえていました。私のために、猫も飼いました。私は「これで学校頑張れる」と言いました。無理でした。
私はあの学校も家も勉強も私自身も大嫌いでした。
でも全部好きになりたかった。
あの地獄のような日々が終わっても、私はまだ全てを許せません。結局転校して進学して休学して、4年ほどたちましたが、夜になるたび涙が止まらなくなります。
ここで話しても楽になれるとは思っていません。そういう楽観的に生きる気持ちを何度も自分に裏切られてきました。
でも、話を聞いてくれてありがとうございます。
優しい貴方の幸せを願います。