ごめんなさい。生まれてきてごめんなさい。
兄は俗に言ういいお兄ちゃんで文武両道、面倒見が良くて人当たりも良い出来た子だ。
それに比べて、、、と比べられるのがおれの役割。兄の引き立て役。
そうやって優等生として出来た当の本人は満更でも無く、なんなら親に殴られるおれを守ってくれた。
代わりに殴られた兄の頬は腫れていてすごく痛そうだった。
いい兄だ。いい兄なのにどうしても好きになれない。
おれなんていなきゃよかったのに。そうしたら兄だっておれなんかに構わずに笑っていられたのに。
微熱の日曜を過ごしてまた何千回もの月曜日に耐える。
ごめんなさい、ごめんなさい。死ねなくてごめんなさい。生まれ変われなくてごめんなさい。出来損ないでごめんなさい。泣いてごめんなさい。耐えられなくてごめんなさい。幸せに出来なくてごめんなさい。期待に沿えなくてごめんなさい。謝ってばかりでごめんなさい。
殴られるのなんて慣れただろ、、全部おれのせいにしたら楽だろ、、赤ちゃんでもないのになんで未だに泣いているんだ。
誰とも出会っていなかった世界線があったなら、おれ以外が笑ってられる世界線ががあったなら、どんなに幸せだっただろうか。
おれなんて消えればいい、存在意義なんてないんだから。
もういい。一生不幸で構わない。