つい先日、定期テスト前のくせに運悪く体調を崩した。
風邪の時って、時間が経つのがとても遅く感じるの分かるかな。
ただただ気持ち悪いだけの時間を過ごすのが苦痛で、寝ようってなった。
寒かったから、リビングのソファーに自分の部屋のかけ布団をかけて、さらにフリース(上着)まで着て…。って感じで、とにかく暖かくして眠りについた。
体感では、結構長い時間寝ていた感覚だった。目が覚めると、何故か体が動がない。けど、普通の金縛りなら3回ほど経験があって慣れていたから、冷静ではあった。
大体そういうのは、無理矢理動こうとすると外れるものだ。とりあえず動いてみた。自分の動きに、視覚情報での動きが少しずつ着いてくる。
そうこうしていたら、次第に動きが連動するようになった。金縛りRTAとでも言おうか、いとも簡単に解けてしまった。
…そうであればよかった。
気がつけば、体は目覚めた時の位置に戻っていた。
もう一度、体を動かした。
金縛りが解けたと思った瞬間には、もう元の位置に戻っている。
次第に体が熱くなる。
何回も繰り返す。元の位置に戻る。
何十回も繰り返す。元の位置に戻る。
ただの風邪とは思えない程、体が熱くなる。
たまに、ちゃんと起き上がり、地に足をつける。
ごくたまに、数歩くらい歩くこともできる。
「ああ、やっと目が覚めた」
元の位置に戻る。
延々繰り返すうち、これが死なんじゃないかという気がしてきた。
皆、内臓が全部動かなくなって、冷たくなるまで、ずっとこのループから抜け出せない。
これが、皆がずっと考えてきた「死んだらどうなるのか」の真相なんじゃないか。
今日が最期の日なんだろうか。
大人しくもう一度寝るとか、考えられなかった。まあ夢なので、思考はそりゃ錯乱するものだ。パニック状態で、いつかちゃんと動ける時が来ると信じて、信じて、何回も体を動かし続けてきた。
もはや体温は致死レベルにまで上がっていた。夢だからそう感じるだけなのか、現実でもそうだったのかは今でもわからない。41℃以上あったんじゃないかな。
それは突然だった。
目が覚めた。本当の本当に目が覚めた。
親がすぐ横のテーブルに座っているが、構わず「あーーーー」と言った。叫んではいない。
とにかく安堵だった。動いていることに。生きていることに。
体は、金縛りに遭っているときほどではないにしても、結構な熱さ。体温計で計ってみたらまさかの39.8℃。人生最高記録だった。
何時間も寝たつもりだったけれど、案外1時間しか経っていなかった。夢ってすごい。
そのあと病院に行ったけど、幸いインフルでもコロナでもなかった。ただの風邪?らしい。
小さい頃インフルの検査(綿棒刺すやつ)をした時に、先生が下手で夜中に何時間も鼻血止まらなくなったとかいうトラウマがあるから、今回の先生は上手くて本当に助かった。これからは全部あそこの病院に診てもらおう。
皆さんの金縛りエピソードや風邪エピソードがあれば教えてください。