私は最近よく山に登る。
なぜならそこは私にとっては楽園、現実逃避できる唯一の場所だからである。
もちろん多少のリスクはある。それにある程度の体力や経験、装備を要する。
正直、毎回「なんでこんなことしてんやろ?」「やめときゃよかったー」と思うほどしんどく、危険がいっぱい。でもそのおかげで何も考えられなくなり、全てを忘れることができる。
ほとんどソロ活動、それに平日が多い。なのでメジャーな山でなければめったに人に会わない。私にはうってつけだ。
こないだもとある山に登った。
山行は順調だったが途中、道を間違えて沢登りや滝登りをして遊んでしまった。
予定よりもずいぶんと時間と体力を浪費してしまったようだ。
でもよくあることなので特に気にはしていない。
地図にものっていない場所で昼休憩をとり、なんとか通常の登山コースへと戻り山頂を通過。山頂付近にはまだ残雪があった。意気揚々と誰もいない下山道を突き進む。
その時ふと景色に違和感を覚えたが、そんなことはおかまいなしに突っ走る。
「あれ?なんかいつもの登山道と雰囲気が違うなー」と思いつつも、山道のテーピングを確認しつつ尾根を下る(後に気づいたがあのテーピングは森林調査のもので登山道のものではなかった。新しいテープが増えていたのだった)omg!
かなり急で険しい道なき尾根を2時間ほど下った。そして沢へと下り立つ。しかし「こんな沢は見たことがない!まるで異世界だ!」よく似てはいるが、あるはずの標識がない。そこでようやく私は道迷いに気づいた。orz
いまさらながら携帯のGPSを使い現在地を確認。私は愕然とした。下山道とはかけ離れたとんでもない位置に自分はいた。それからしばらく他に下山できる道はないか探したが、結果は惨敗だった。「遭難」という認めたくない現実を受け入れるしかなかった。時刻は夕刻。日没まであと3~4時間。私の背筋に戦慄が走る。
私は常日頃「いつ死んでもいいや」「死んだら死んだで仕方ない」と思って生きている。特に入山するときはその覚悟で臨んでいるつもりだった。でも「こんな死に方望んでいない!」「私が死ぬ時と場所は自分で決める!」という極めて身勝手な思考が脳内を駆け巡りアドレナリンが噴出した。
顔面蒼白(かどうかわからないが顔から血の気がひいたのを感じた)、心臓のバクバク脈打つ鼓動が耳をあてなくても普通に聞こえ、体は震え汗ばみ体温は上昇し、呼吸が荒くなったのを感じた。火事場のくそ力発動!(生命保護機能)
私は「こんなところで死んでたまるか!」と奮起し、山で道に迷ったら「沢を下るな、尾根に上れ」の教訓に従い、山頂に向かい尾根を上り返すことにした。(ほんとはめちゃ迷った、救助要請しようかとも考えた110.119)
2時間かけて下ったところを日没ギリギリの時間に上るのは肉体的にも精神的にも本当に苦痛だった。悲しいことに私の足はすでに限界を迎えていた。しかし幸いなことに私にはまだ使える2本の腕があった。私はなりふり構わず(まあ誰もいないので気にする必要もないのだが)這いつくばって四足獣のように手足を使い尾根を駆け上った。(つづく)
(こんな長文ええんかな?続く...のか?)
誰でも無料でお返事をすることが出来ます。
お返事がもらえると小瓶主さんはすごくうれしいと思います
▶ お返事の注意事項
なれのはてさんの登山話、続きを拝見したいです。
宛名のないメール内とは思えないほど、とてもユーモラスな文章に驚き、そして魅了されてしまいました。
盛り上りをみせたのは
~私は常日頃「いつ死んでもいいや」~のくだりのところから…
ありがとうございます。
久しぶりに笑いました。
誰でも無料でお返事をすることが出来ます。
お返事がもらえると小瓶主さんはすごくうれしいと思います
▶ お返事の注意事項