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望まない死に方、異世界よりの生還(続き)

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ハアハア(;´Д`;)
「よくまあこんなとこを2時間もかけて下りたな。あほちゃうか。もっとはよ地図確認しとかな。」
と自分の行動に呆れつつもひたすら登り続けた。

途中何度も転倒し、体中傷まみれ。立っていられないほどしんどい。

突然大岩さん出現!
「あーそういやこんなとこ飛び降りたなぁ。まじありえんわ。」
普通一般的な登山コースでは考えにくい状況。屈強なベテラン登山家さんたちが行く上級者コースとかは別だが。

無理せず私は巻道(もはや道ではないが)をし、やっとの思いで道迷いの原因となった山頂付近の分岐にたどり着いた。目印や標識を確認したが注意深く冷静に判断すれば迷うことはないと認識した。時刻はすでに午後五時をまわっていた。
2時間かけて下ったところを2時間で登った。我ながらよく頑張った。
しかしこれからがほんとの下山だと思うとゾッとする。

もうほんとに動きたくないのに...谷からは冷たい風が吹きあがってきた。気温は5℃くらい、体感で0℃。ビバークに必要なツェルトや寝袋も持ってきていない(ほんまは基本装備)。この状態で寝ると確実に低体温症になってしまう。山をなめてたつもりないんやけど、甘く見ていたと思われるやろな。私はなぜか急に悲しくなった。
「なんで?大好きな山で大好きな自然の中で死ねたら本望やん。いや、違う!やっぱり私は自分が死ぬ時と場所は自分で決める!」
いや、いろんな人に迷惑がかかるからかな?でも人間ほんまに死ぬときはこんなもんだろう。「さよなら」も言わずに...

急に辺りが薄暗くなる。とうとうお天道様が隣山に隠れてしまわれた。私は寒気を感じ焦った。あと2時間で辺りは闇の世界となりほぼ行動不能に近くなる。私はさらなる進化を余儀なくされるのだった...

「ギア2nd!」発動。私は私を助けるためにレベルアップするのだ。
「生きて山から帰るのだー!」

無我夢中だった。もうここらへんからは正直言ってあまりよく覚えていない。途中けったいな何かの鳴き声が聞こえる。なんだろう?鹿、熊、猪、ムジナ、鳥、カエル、虫さん?そして恐怖心が一転して怒りが込み上げてくると同時に、私はなんとそれらに対して大声で暴言をまき散らかして威嚇していた。
「○○~!○○○~!○○○○~!」
まるで猛獣!無敵状態だw
あの子たちはなんにも悪くないのに、ごめん、びっくりさせたな。てんぱっとったから許して。街中やったら即通報、職質間違いなしw

何度も木や岩にぶつかったり川に落ちたりしたがレベルアップした私はそれらをものともせず無事に下山するに至った。

その後数日はまともに歩けなかったことは言うまでもない。

これは私の実体験であり実話です。

山での道迷いはありますが、人生に道迷いは?私はないと考えます。なぜなら生きてきた軌跡こそが唯一の人生の道だと思うからです。

皆さんもいろんな道に迷うことのないように、お気をつけて。
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