私が心のバランスを崩すのは、
いつだって母からの介入があったとき。
これ、トラウマだよね。
大変な状況なんだけど、それでも「よしっ!明日はこれやろう!アレに取り掛かろう!」
そうやっていつも自分で自分を励ましてきた。
けど、ひらりと舞い込む不幸の手紙。
差出人は見るまでもない。
あの突き刺さるような文字。
嫌悪感が走る。
一気に力が抜ける。
全身が腐っていくような不快感に包まれる。
軽く吐き気がする。
見えない相手に向かって、毒づく。
もうすっかり解消したと思っていた記憶が鮮明に蘇ってきて、あの時、何を思っていたか感じていたか、幼すぎて当時は理解できなかったことが明確に言葉となって現れて、幼かった私が可愛そうでたまらない。
よく病まなかった。
よくグレなかった。
よく殺さなかった。
頑張ってきたよね。
苦しみながらずっと頑張ってきたよね。
引きこもって何もしなかったからと言って、決して怠け者だったわけじゃない。
心と頭が疲労で麻痺するほど、懸命に戦い続けてきたんだよね。
その戦いは誰も知らない。
でも私は、その血みどろの戦いをずっと見てたから知ってる。
やっと修羅場を抜けたと思って平和が続くと、いつもこうなる。
母が気まぐれに自分の感情を叩きつけ、なおかつ私を叩きのめそうと脅迫に近い手紙を送りつけてける。
もう関係ない。好きにすれば?
そう思うのに体が言うことを効かなくなる。
ものを考えられない。だるい。気分の落ち込みがひどくて、何も手につかず、日が暮れるまでぼーっと座り続ける。
これで何日目?
こんなことしてる場合じゃない。仕事を探さないといけないのに。
残っていた安定剤を飲む。
睡眠導入剤もオマケに飲む。
辛い時、不思議とぐっすり眠れるタチなんだけど。
それでも全てを麻痺させてしまいたいから、眠れる薬も不可欠。
薬の袋の日付は、去年、一昨年、一昨々年。
一時的に辛さをやり過ごすためだけに受診してもらった薬。
少し飲めば立ち直れる。
だからたくさん残ってる。
全部飲み干しても死なないの、分かってる。
頭がガンガン痛くなって、
気持ちが悪くなるだけ。
知ってるから。
全部飲んだことあるから。
本格的に病んでしまう前に立ち上がらなければ。
毒親はあと10年も生きないだろう(いや、生きるかも。長生きの家系)。
母が死ぬのを待っている間に私だって年をとる。
年取って耐性がなくなり弱くなる前に自力で立ち上がらなくては。
分かってる。
でも、今日も頭痛がひどい。気持ちが悪い。
薬のも。
楽になるなら必要な事。
でも明日は飲まずに済ませたい。
母はまだ、たぶん長生きするから。
私が強くならないと、あの人が生きているという事実だけで負けてしまう。
強くならないと。