ぼくの母さんは抗がん剤治療で髪が抜けてたんだよ。バンダナ姿、帽子姿が見慣れた母さんの姿。
ぼくにとっては美人でかっこいい自慢の母親だったのだけれど、本人はそうでもなかったのを知ってる。
いまのこれは、亡くなってだいぶたったあとの考えだ。
こんな考えになるまで10何年もの月日がいった。
いや、頭にはきっとあった。けど言語化できるほどの成熟さが当時にはなかった。
ぼくが、髪の有無に偏見がないとしたらそれは、きっと母さんの影響だろうなと思う。
生んでくれてありがとう。
親不孝の自分ですが、どうにか自殺せずにはまだ生きられています(このまま生きるよりは死んだほうが良いのではないかとも考えられますが)。
生まれ変わった先で、どうか幸せに生きられていますように。