誰しもが結果を求める。
前以上の成果を。
オリンピックにそれほど興味はない。
阿部詩選手が東京五輪で金を取ってたことも知らないくらいに興味はない。
前回王者が2回戦敗退と報じられて二連覇を目指してたことを知った。
負けて泣いてボロくそに言われて、前回金メダルを取ったという栄光すら忘れ去られる。
日本代表としてオリンピックに出ること自体がすごいことなのに。
東京五輪で金メダルを取ったならさらにすごいじゃないか。
だからパリでもメダルを取って当たり前。
世間はそう思ってたんだろうな。
求められるハードルは上がり続ける。
出来て当然、出来なければ無価値とされる。
俺みたいに
『負けちゃったんだ、残念だね』
『まだ若いし次回に雪辱を晴らせばいいんじゃない?』
ってあっさりした感情を抱くのはそこまで興味がないからだろう。
結果に関係なく励ましてくれるのはどうでも良い人間だけ。
本人や関係者からしたら結果を出せなかったことへの無念と後悔と誹謗中傷で死にたい気分じゃないかとすら思う。
立ち直ってくれたら良いけど大変だろうな。
周りはやっぱり結果を求めるよ。
『パリでの敗北を乗り越えて金メダル獲得』
っていうシナリオを求めるんだよ。
常に結果を求められる。
俺も疲れたよ。
休職から復帰して仕事が出来るようになったらもっと稼ぐことを求められる。
もう休職するなんて出来ない。
常に前に進み、結果を出し続けることが求められる。
金を稼ぐことが求められる。
俺には仕事して金を稼ぐことでしか価値を求められていない。
人並み以上に稼がないとならない。
男に求められる価値なんてそれしかない。
疲れたな。
生きるってことは金を稼ぐことで、
金を稼ぐためには結果を出し続けなければならない。
頑張りますじゃダメなんだ。
優しさなんてのも無価値。
疲れた、死にたい、死ねよ。