あなたと出会わなければよかった。
そんなこと、私は思わない。
たとえ、私の願いが叶わなかったとしても。
思い出すたび、苦しくなってしまったとしても。
こんな気持ちを知れたのは、全部、全部。
あなたのおかげなんだよ。
あなたが、私に初めての気持ちをくれた。
その気持ちに、あなたが気づくことはないと思うけれど。
ただ、大好きだから。
ただ、幸せになって欲しいから。
ひたすら、私は便箋にペンを走らす。
あなたに伝えたい想い。
たくさん、たくさん、あるんだよ。
あなたの笑顔を見るのも、明日で最後。
そんなの、嫌だけど。絶対、嫌だけど。
仕方ないから。それが、きっと運命なんだろうな。
「先生、ありがとう。ずっと大好きです。奥さんと、幸せになってください。」
ただ言えるのは。
今の私に言えるのは、それだけの言葉。
私は、一粒の雫とともに、ペンを置いた。