初めて女の子を好きになった話
生まれて十数年、女の子を恋愛対象にしたことがなかった
男女の恋愛に憧れて、ずっと男の人に恋してきた
推しも初めての恋人も男の人だった
でも
高校生になって初めてできた彼氏は、とんでもないクズだった
私のことを都合の良い物としかみていなかった
繁華街を歩くと、沢山男性にナンパされた
見境無くて恥ずかしくないのかなって思った
電車に乗ると、臭いおじさんに痴漢された
どうしてこんなに醜いんだろうって思った
SNSを開くと、性加害を肯定する男性の声が溢れていた
みんな捕まればいいのにって思った
アイドルだって裏ではそういう人なのかもしれないとも思ったけど、割り切って偶像を好きでいることにした
私の理想の少女漫画の王子様はいないのかもしれないって思った
それでも諦めたくなかった
私はきっと1人で生きていける程強くない
私は私のことを想って大切にしてくれる人と一緒にいたい
性欲に振り回されない理性のある人と結婚したい
それがいつか憧れたかっこいい王子様ならもっと幸せだと思う
そんな人に釣り合うように自分磨きもしてる
もしいないなら一生独り身の方がましって思った
でも気づいちゃったの
そんなに現実の男の人が嫌なら、それでも自分を受け入れてくれる人が必要なら
女の子と付き合えばいいんじゃないかって
かっこよくて私のことを認めてくれる女の子に出会えればいいんだ
女の子なら優しくて、心を大切にしてくれる
そしたら、そんな理想の人は案外近くにいたもので
いつも仲良くしてくれるかっこいい女性の先輩
この人ならって思ったの
一度意識し始めると人間の脳って単純で
もうどんどん好きになってくんだよね
でも仲良くなっていくたびに、不安になることも増えた
一緒にいる時間が長いと気を張っちゃって疲れるし
何よりきっと先輩は、私のこと恋愛対象としてみていない
先輩も女の子が好きとは言ってたけど
もし私が、普通に仲良しだと思ってた友達に告白されたらどうだろうって考えたの
困るし、申し訳ないし、今まで普通に仲良くしてたのに複雑な気持ちになる
きっと先輩にもそう思われちゃうんじゃないかって
なら告白しないで、ずっと1番仲のいい後輩でいたいって思う
でも、私は自分の感情に逆らうのが下手くそで
このままいるのも嫌だなとか思っちゃう
どうしようね