LINEスタンプ 宛メとは?

結構ぶりの小説投稿(第1章を全部ながします{一部改稿もした})めちゃくちゃ長いよ?読む時は覚悟して(2万字ちょい)

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4月8日、××中学校で入学式がある。
そこに陸は行った。
入学式を無事(?)に終え、教室へ向かう。
陸が教室に入った時には、既に全員来ていて、陸が最後だった。
すると、教室の床が光を発し始めた。
「何だ?イタズラか?」
「キャー!」
クラスのみんなが騒ぐ中で陸だけはこの状況を理解していた。異世界転移であることを。
そして、陸はこう思っていた。
(これでこのクソみたいな世界から出られる!)、と。

光がおさまると、体育館程の広さで神殿のような内装の部屋に立っていた。
そして足元には見覚えのある模様が。
(うん。これって、こっちに来る前に足元で光ってたやつだよな?)
この場所に何人いるかを数えると、全部で43人だった。
1クラスで40人だということは、今の陸は知らなかった。
「みんな!まずは落ち着こう!」
と、クラスの何人かが声を張り上げているが、誰も聞く耳を持たない。
それどころか、クラスのざわめきは止まるどころかさらに大きくなっているようだ。
そんな中、陸は持ち前の図太さを発揮して、
自分のお決まりを確認しようとすらしていた。
「ステータス」
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 巫坂 陸 LV1/2 Rank1/9999 job:神をうちに宿す者(隠蔽中)/学生

筋力:13 耐久:21 速度:11
魔攻:19 魔耐:21 体力:31
魔回:60/60 取得限度3/♾️ BP:10
スキル:器用貧乏・ボーナス・応用(ユニーク)

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「応用ね、ユニークってついてるから、かなり強いんだろうな」
応用・・・特定の行動をスキルとして取得し、動作を簡略化させる。このスキルは、原初■■であ■■■の■を■せし者が使■■■■■
「何だ?文字化けか?なんか不気味だな。なら、器用貧乏とボーナスはどうな効果なんだ?」
器用貧乏・・・あらゆるスキルを取得可能。取得限度数が無くなる。
ボーナス・・・レベルアップ時に得られる。(ボーナスポイントの略)が通常の二倍取得する。
「マジか、どれも強すぎるな。でもなんかこの国は嫌な予感がするんだよなぁ。
それに、この隠蔽中ってなってる「神をうちに宿すもの」ってのが、なんか怖いし」
陸が自分のステータスを見て考えていると、扉が壁に浮き出てきて、それが開くと、
王っぽいのと、ローブを着た人が10人くらい入ってきた。

皆の者!静まれっ!!」
王様っぽいのがそう叫んだら、あれだけ騒がしかったクラスの人が嘘みたいに静かになった。
「皆には『ステータス開示』をしてもらう。クリス、方法を教えよ」
そう言うと、見た感じで二十代前半くらいの男の人が出てきた。
「先ほどご紹介頂きました、魔導師師団団長のクリスと申します。皆さんには、『ステータス開示』をしていただきます。方法は『ステータス開示』と唱えていただくだけです」
「ステータス開示」
「ステータス開示」
「ステータス開示」
と、クラスの人が口々に唱えていった。
壁に表示されるステータスは、どれもとても高いものだった。その中でもずば抜けて高いものがいくつか。
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 宮崎 麗奈 LV1/2 Rank 1/9999
job:賢者/学生

筋力:18 耐久:34 速度:56
魔攻:985 魔耐:856 体力:58
魔回:960/960 取得限度4/9999
BP:10 STP:0 SKP:0

スキル:魔法【全属性】(使用者限定魔法以外)・魔法の極み・魔術の真髄・魔法の天才
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 広瀬 愛菜 LV1/2 Rank 1/9999
job:聖女/学生

筋力:9 耐久:56 速度:23
魔攻:72 魔耐:9999 体力:9999
魔回:960/960 取得限度4/9999
BP:10 STP:0 SKP:0

スキル:癒しの光・聖女の護り・支援・魔法(光・聖)
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 瀬田 弘達 LV1/2 Rank 1/9999
job:勇者/学生

筋力:235 耐久:956 速度:968
魔攻:999 魔耐:9999 体力:9999
魔回:999/999 取得限度4/99999
BP:10 STP:0 SKP:0

スキル:聖剣術・魔法【全属性】LV、MAX(使用者限定魔法以外)・アイテムボックス1(80×1000)・鑑定1
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他も凄いっちゃ凄いけど、この3人と比べると霞んじゃう。
「なっ!!」
なんかクリスさん、だっけ?(覚えてない)が驚いてる。
「ランク1の、しかもレベル1で既に騎士団長と同等以上のステータスをお持ちですね…」
「おいっクリス、この、巫坂陸とやらのステータスがいささか低すぎるんじゃ無いか?」
「そっそんなことありません!」
となけなしの反論をしてみるが、あの3人と比べると低く見えるのも仕方ないか。
「貴様のステータスは、その辺の子供と同レベルだぞ」
「なっ‼︎」
「クスクス」
「プッ…フフ」
「クスクス」
「よって、貴様は追放とする!」
王がそう言うと、扉から2人の兵士が入ってきた。
「その者を城外へ連行せよ」
王がそう言うと、扉から2人の兵士が入ってきた。
「こちらに来てもらおうか」
兵士はそう言って俺を扉の方へ連れて行った。扉を通り抜けて扉が閉まったのを見届けたのか、兵士が口を開いた。
「すまねぇ俺もこんな事はやりたかねぇんだ。だから詫びとして、迷宮組合に行って、『ラルガに言われてきた。袋を受け取りたい』って、受付に言ってもらえたら金と魔法玉が受け取れる。せめてそれを使ってくれ」
「わかった。こちらこそ金とアイテムは助かるんだ、ありがとう」
「すまん、こんなことしか出来なくて」
「いや、充分すぎるくらいだ」
この世界や国の情報を聞いているうちにもう城の門まで来たようだ。
「じゃあな。すぐ死ぬなよ」
「あぁ勿論だ。こちらも情報とか助かったよ」

ラルガに言われた迷宮組合は、東門のすぐそばにあるらしい。そこへ行ってみるとイメージと違ってかなりオシャレな建物だった。中へと踏み入ると受付以外誰もいなくて、受付の人も予想と違ってかなりコワモテのおっさんだった。
「用件はなんだ?」
「登録をしたいのだが」
「なら、この紙にサインしろ」
そうやって出された紙は『原因を問わず命を落とした場合は組合は関係なく、全て自己責任だ』と言う内容だった。全然問題ないな。そう判断した陸は紙にサインした。
「よし、少し待ってろ」
おっさんがそう言って奥に引っ込むと数分してから銅色のカードと小冊子を持って出てきた。
「このカードは組合の登録証でもあると同時に身分証でもあるから絶対無くすなよ。それとこの小冊子は組合の規則を書いている。全部覚えとけよ」
おっさんのそのセリフの後、陸はカードとルール冊子を貰った。
「わかった。それと、『ラルガに言われてきた。袋を受け取りたい』」
「っ!わかった。そこで待ってろ」
おっさんが奥に引っ込んで少しすると重そうな袋を持ってきた。
「これが、その袋だ。お前ぇさん一体何者だ?ラルガがこれを渡すなんてよほど気に入った相手くらいだぞ」
「ただのラルガに少し気に入られた一般人だ」
「んなわけねぇだろ。まぁ、今はそういう事にしといてやるよ」

おっさんから組合証を貰い晴れて挑戦者(I級)となった陸は、その場でBPの割り振りをすることにした。
「逃げる用で速度は伸ばしたいし、魔法で倒す予定だから魔攻も伸ばしておきたい…。」
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 巫坂 陸 LV1/2 Rank1/9999 job:神をうちに宿す者(隠蔽中)/挑戦者(I級)
筋力:13 耐久:21
速度:11→15魔攻:19→25
魔耐:21 体力:31
魔回:60/60 取得限度3/♾️ BP:0
スキル:器用貧乏・ボーナス・応用(ユニーク)
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「これでいいか。ん?jobが学生から挑戦者に変わったな、何が条件になっているんだ?」
(まあ、いいか。別に害があるわけではないし。)
心の中でそう呟くと王都の南南西にある氷属性の迷宮、「吹雪」に向かうべく組合を後にした。
それから約2時間後。今の時刻は大体3時くらいだろう。
陸はようやく迷宮に着いた。別に陸が道に迷っていた、などではない。シンプルに王都からの距離が遠すぎるのだ。
「遠すぎんだよっ!もう2時間くらい歩いてんだよ!」
そして苦労しながらもたどり着いた迷宮は、アーチ状にレンガを重ねたようなものだった。そのアーチの中には赤黒く、でもどこか神々しく、禍々しい雰囲気すら感じさせる渦が存在した。『この渦はこの世に存在してはならない。でも、ずっと見ていたい』そう感じさせる何かを持っていた。
陸がその場で呆然としていると、後ろから声をかけられた。
「お前ぇさん、迷宮は初めてか?」
「あ、あぁ。初めてだ。」
「分かるよ、その気持ち。俺だって初めての時は驚いたもんよ。」
話しかけてきたのは三十代後半くらいの渋おじだった。
迷宮に入るためにアーチを潜った時、ぬるり、と生暖かい風が首元を舐めた。
入る時に感じた生温かい風とは違い、迷宮の、吹雪の中は涼しかった。
改めて一面を見渡してみると、白い地面なので見つけづらいが至る所に青白い毛のウサギや杖を持っている子供くらいの大きさの鬼が存在した。

吹雪の迷宮に入るとあたり一面人1人いない銀世界だった。
「おぉ、綺麗だな」
陸は迷宮に入る前に感じた気味の悪さなど忘れて光景の美しさに目を奪われていた。
────────十分後────────
「さて、そろそろ探索とか攻略しないとな」
そう呟いて陸は誰もいない銀世界を探索し始めた。

────────1分後─────────────
歩き始めてすぐに陸は魔物と遭遇した。
「おっ!すぐ見つかったな」
思ったより早く見つかった喜びと共に陸は持ってきた袋から魔法玉(火)を取り出した。
「よし!火の魔法玉をこの白い兎——スノーラビットに使用する!」
 シ————ン
「ピキュッ?」
「あれー?何で発動しないのかなー?」
 ドドドドドドドッダンッ!
「うわっ!来た!どうしたらいいの⁈えいっ!」
 陸は戸惑った結果魔法玉をスノーラビットに投げつけた。するとその瞬間、スノーラビットが炎に包まれた。
「えっ!何で?えっ、もしかして、使い方って『相手に投げつける』であってるの?」
陸はそう思っているが、正しくは相手を定めて玉に魔力を込めると発動するのだが、投げつけて玉が割れることで込められていた魔法が解放されたので使えたのだ。割れていなかったら陸はスノーラビットに突撃されていただろう。
【経験値を10獲得しました】
【レベルが1上がりました】
【ボーナスポイントを10獲得しました】
【ボーナスポイントをスキル『ボーナス』の効果で更に10獲得しました】
【レベルがMAXになりました】
【レベルがMAXになったので、個体名『巫坂 陸』のランクが1上がりました】
【ランクが2になりました】
【レベル上限が2→4に上がりました】
【スキル『火魔法Lv.1』を獲得しました】
「よし!この調子で狩っていくぞ」
——————————30分後———————————
どうしよう……。この大量の毛皮とか、肉とか、杖とか、色々とかなり重いな……。
「そうだ!アイテムボックスを取得すればいいんだ!」
じゃあ、毛皮をポケットに『収納』っと、
【スキル『収納Lv.1』を取得しました】
よし!じゃあこれで、毛皮を『異空間』に『収納Lv.1』っと、
【スキル『収納Lv.1』を応用しました】
【スキル『収納Lv.1』が消滅しました】
【スキル『収納Lv.1』を応用した結果、スキル『アイテムボックスLv.1』を取得しました】
良かった、消滅してしまったと思った。まあ、何より荷物の心配をしなくて済んだ、というのは間違いなく朗報だろうな。じゃあ、全部アイテムボックスに突っ込んでいくか、
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 巫坂 陸 Lv:7/18 Rank:9/9999
 job:神を内に宿しもの(隠蔽中)/挑戦者(I級)
筋力:13 耐久:21 速度:15
魔攻:25 魔耐:21 体力:31
魔回:13/210 取得限度:7/♾️ BP:1420
スキル:器用貧乏・ボーナス・応用(ユニーク)
 アイテムボックス(1000×20)Lv.2・火魔法Lv.4
 氷魔法Lv.1・体術(足)Lv.3
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「うわっ!ボーナスポイントかなり貯まってるな〜」
まあ、ボーナスのスキル持ってるもんな。なかったら、本来は710ポイントしか貰えないし、あ、いや、でも710もあれば充分かな。
じゃあ、今日はもう帰ろうかな

今の時期時刻はこの世界に呼ばれてから約5時間経った18時、午後6時だ。あたりはもう日が暮れかけていた。
何時間も動き続けていたことで体力も限界だった陸は這う這うの体で探索者組合の扉を開いた。
「よお、おっさん、迷宮のドロップ品を換金しに来たぞ」
「おっ!死なずに帰ってきたか。わかった、このポーチに全部出しな」
そう言って出してきたのは小物入れくらいのサイズのポーチを出した。
「流石に小さすぎるんじゃないか?」
「ん?そういや説明してなかったな。こいつはな、マジックポーチっていってな、1種類のアイテムにつき、1000個入る代物だ。
「そういうことか」
そう言いながら陸はマジックポーチの中にスノーラビットの毛皮を190枚、肉を70枚、ゴブリンメイジの爪、角、牙を32個全て、ゴブリンメイジの杖(氷)を4本、魔法玉を2個、マジックポーチに入れた。
魔法玉は3個ドロップしたのだが、スキルを集めたいという理由で1つ使ったので、2つになった、ということだ。
「そういえば、迷宮の中では誰とも会わなかったが、どういう仕組みだ?」
「知らないのか?迷宮の中ではパーティーでも組んどがないと必ず1人になるんだぞ」
「そうだったのか」
「おっ、少し待っててくれ」
おっさんはそう言って少しの間奥に引っ込んでいった。
約2分後、紙の束を持って戻ってきた。
「多少時間は掛かってしまうが、依頼を受けておけば、ランクアップや、受け取れる金が増えるが、どうする?」
「じゃあ、受けておくことにするよ」
【条件を達成しました】
【条件を達成したので、スキル『クエスト』を解禁いたします】
【本日のデイリクエストを解禁いたします】
【デイリクエストをクリアされますと、報酬の獲得が可能になります】
「えっ?」
「どうした?」
「いや、何でもない」
「まあ、今回は、依頼分込みで、金貨13枚と銀貨1枚と銅貨63枚だな、しめて、13万1620リラだ。初めてにしちゃ、上出来だな」
「明日、装備を整えたいから、いい店知らないか?あと宿も」
「宿はな、組合の向かいにある『鳥の羽休め亭』なんてどうだ?装備ってのは、武器か防具かどっちを揃えたいんだ?」
「できれば、両方だな」
「なら、北門の近くにある『ランガムルグ武器防具店』がお勧めだな」
「分かった。じゃあな」

そして、おっさんに教えてもらった宿に行くと、やはりお勧めなだけあってかなり賑わっていた。
「すまない、個室は空いているか?」
「空いていますよ、何泊お泊まりですか?」
「金貨1枚でどれほどの間泊まるそとができる?」
「素泊まりですと、1月は泊まれます。朝夕付きですと、3週間になります」
「なら、朝夕付きで3週間泊まるよ」
そう言って、受付の人に金貨1枚を渡した。
「わかりました!では、203号室です!」
そう言われて鍵を渡された。
部屋に入り、中に見渡してみると、ベッドと机と椅子のセットが一つあるだけの簡素な部屋だった。
その部屋で陸はベッドに腰掛け、ステータス画面を開いた。
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 巫坂 陸 Lv:7/18 Rank:9/9999
 job:神を内に宿しもの(隠蔽中)/挑戦者(I級)
筋力:13 耐久:21 速度:15
魔攻:25 魔耐:21 体力:31
魔回:13/210 取得限度:8/♾️ BP:1420
スキル:器用貧乏・ボーナス・応用(ユニーク)
 アイテムボックス(1000×20)Lv.2・火魔法Lv.4
 氷魔法Lv.1・体術(足)Lv.3・クエストLv.1
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スキル欄の「クエスト」をタップすると、新たに画面が出現した。
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討伐 採取 探索 デイリ 特殊
【デイリ】
・魔物を10体討伐する 10,000リラ 【受取】
・魔物を50体討伐する 10,000リラ 【受取】
・魔物を100体討伐する 20,000リラ 【受取】
・魔物を150体討伐する 25,000リラ 【受取】
・魔物を200体討伐する 30,000リラ 【受取】etc……
・魔法を100回使う 5,000りら 【受取】
・魔法を200回使う 10,000リラ 【受取】etc……
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 と、細々したクエストの報酬を受け取ると、11万リラも獲得できた。これで、陸の所持金は、
131620-10000+110000=231620リラ(23万1620リラ)になった。

 朝起きると、知らない天井——ではなく、昨日借りた宿の一室だ。このベッドは地球で使っていたものと比べるととても硬いが、疲れが溜まっていたのもあってか、すぐに寝つき、ぐっすりと眠ることができた。
 今日は昨日組合のおっさんが教えてくれた『ランガムルグ武器防具店』に行き、装備を整える予定だ。ついでに携帯食や、回復薬も買う予定だ。
 早速宿を出ると、まだ日が昇って間もないのに活気があっていい意味で騒がしかった。人混みに揉まれながら北門へと辿り着くと、まだ人は少ない方だった。北門に着いたので『ランガムルグ武器防具店』を探そうとするが、人混みでよく見えない。
そんな中、10分もすると、ようやく『ランガムルグ武器防具店』の看板を提げている立派な小屋を見つけた。
扉を開くと、チリンチリンと、高い音がした。
「誰かいるか?お〜い」
「あっ!いらっしゃいませ!何をお探しですか?」
出てきたのは多分、二十代後半くらいの女の人だった。
「長剣と、毒の付与と解除ができる短剣を3本、小盾を買いたいのだが」
「失礼ですが、予算はいくらですか?」
「ざっと、20万リラの予定だ」
「かしこまりました!少々お待ちください」
そう言って奥に戻って行った。
5分ほどした後、店員さんは戻ってきた。
「長剣は、この『異界の長剣』、短剣は、『毒触れの短剣』を2本と、『毒解の聖短剣』、小盾は、『自動反撃の火盾』でご用意させていただきました。お値段は、異界の長剣が8万リラ、毒触れの短剣は2本で4万リラ、毒解の聖短剣は5万リラ、自動反撃の火盾は2万リラで、計19万リラになります。」
「分かった。これでいいか?」
そう言いながら、金貨を19枚店員さんに渡した。
「毎度ありがとうございます![#「!」は縦中横]またのご利用をお待ちしております!」
陸は『ランガムルグ武器防具店』を後にした。
念の為の水袋と携帯食や、回復薬を買っておこうと思い、『ランガムルグ武器防具店』から出た足で朝市へと向かった。
(まあ、さっき武器とかを買ったから4万ちょいしか残ってないんだけどな)
「らっしゃいらっしゃい!」
「活きがいいの入ってるよ!」
「そこのお兄さん!護符はいかが?」
護符も買っておきたいが、今は迷宮で使うものを揃えておきたいので、泣く泣く無視して、街の肉屋へと向かう。
「お兄さん!あんたは挑戦者と見たよ!やっぱり干し肉かい?」
見たところ、肉屋の店主らしき恰幅のいいおばさんが話しかけてきた。
「ああ、そうだ。干し肉を20束買いたいんだよ」
「20束ね、ちょいと待ってておくれよ?」
おばさんはそう言いながら店先のショーケースに入っている干し肉を20束取り出した。
「干し肉を20束で、銀貨1枚と、銅貨30枚だよ」
「安いな。はい、これで足りてるか?」
「うん、足りてるよ。毎度あり‼︎」
「魔法薬屋はどこか知ってるか?回復薬を買いたいんだ」
「魔法薬屋なら、東門の前にあるよ」
「ありがとう。行ってくるよ」
「また買いに来てね!」
「もちろんだ」
(東門か〜遠いな)
 今度も人混みに揉まれたが既に経験しているので、そこまで大変でもなかった。魔法薬屋に着くと、やはり挑戦者の人なのだろう、武器を持った人が何人かいた。
チリンチリン————
「いらっしゃいませ!なにをお探しですか?」
「回復薬を5本買いたいんだ」
「回復薬ですね、5本ですと、金貨2枚になります。」
金貨2枚を渡すと、飲むのを待つ躊躇いそうなドロッとした緑色の液体入りの瓶が5本渡された。
「これが回復薬、だよな?」
「あ〜確かに初めて見る人は飲むのを躊躇っちゃいますよね…でも、効果は確かなので安心してください」
「わ、分かった」
(今日する予定だった予定はもう全部終わっちゃったし、何しようかな?あっ!ボーナスポイント割り振っとくか)

————————————————————————
 巫坂 陸 Lv:7/18 Rank:9/9999
 job:神を内に宿しもの(隠蔽中)/挑戦者(I級)
筋力:215 耐久:223 速度:217
魔攻:227 魔耐:223 体力:233
魔回:412/412 取得限度:8/♾️ BP:6
スキル:器用貧乏・ボーナス・応用(ユニーク)
 アイテムボックス(1000×20)Lv.2・火魔法Lv.4
 氷魔法Lv.1・体術(足)Lv.3・クエストLv.1
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「おぉ、かなり高くなったな。じゃあ、明日は吹雪の第2層に『挑戦』してみるか」

速度200越えの恩恵もあってか、前回は2時間もかかったのに、今回は10分もかからずに吹雪の迷宮に来ることができた。
「しっかし、頭では分かってても、ステータスの恩恵はすげえな」
(じゃあ、次のレベルアップでのボーナスポイントの半分は速度に割り振ろうかな?耐久は、一応上げた方がいいんだろうけど、そもそも当たらなければ意味ないし……いや、でも念の為、全ステータス1000になるまで頑張るか)
そう目標を設定しながら迷宮へと続く門を潜った。
「昨日ぶりの吹雪の迷宮だけど、ここは綺麗だな。じゃあ、今日は第2層に『挑戦』するか」
実は昨日の第1層の探索で下に続く階段を見つけていたのだ。
「階段まで急ぐか」
階段まで全力疾走するが、速度を217、体力を233まで強化しているおかげで全力疾走しても、全然疲れないようになっていた。地球では全力疾走は5秒も保てば良い方で、基本は3秒しか保たないので、劇的な変化だ。
「おっ!階段見っけ!」
カチッ
「へぁ?」
パアァァァァ——フッ
——————————————熱い——————————————
それがここに飛ばされてから最初に感じた事だ。どうやら俺は転移の罠にかかって火属性の迷宮に飛ばされたようだ。


——————————————熱い——————————————
それがここに飛ばされてから最初に感じた事だ。どうやら俺は転移の罠にかかって火属性の迷宮に飛ばされたようだ。
「まずは、状況の確認が最優先か?じゃあ、『鑑定』のスキルが必要だな……」
地面を『調べる』
【条件を達成しました。スキル『調査』を解禁いたします。】
「よし。じゃあ、地面の『情報を調査する』」
【スキル『応用』の発動を確認いたしました。】
【スキル『調査』をスキル『鑑定』に応用します。】
【スキル『調査』が消滅し、代わりにスキル『鑑定』を獲得しました。】
「で、出来たっ!ここの空間を『鑑定』」
——————————————————————————————
名称:迷宮の空気
迷宮識別名称:火口
迷宮属性:火
迷宮位階:上級
階層:56/60
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「はっ⁈上級迷宮⁈火口って、王都の近くの上級迷宮じゃねえか‼︎しかも最下層近く……」
ドシン‼︎ドシン‼︎
(あっ!何か来た!そうだ、『気配を隠す』)
【条件を達成しました。】
【条件の達成により、スキル『気配隠匿』及び、スキル『存在隠蔽』、スキル『姿隠し』を獲得しました。】
「成功だ。気配隠匿、存在隠蔽、姿隠し、発動」
〔グオ?グアギガギカキガ?〕
(この隙に、あいつを『鑑定』)
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名称:フレアオーガ
job:迷宮眷属/炎大鬼
魔物属性:火・炎・焔
筋力:595 耐久:597 速度:129
魔攻:13 魔耐:59 体力:590
スキル:炎纒闘法Lv.MAX・焔魔法Lv.5
称号:階層最弱
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「なっ!強すぎるだろ。でも、あいつを倒せないと、ここから出ることなんて、夢のまた夢だよなっ!今の俺のステータスはどうなってんだ?『ステータス』」
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巫坂 陸 Lv:7/18 Rank:9/9999
 job:神を内に宿しもの(隠蔽中)/挑戦者(I級)
筋力:215 耐久:223 速度:217
魔攻:227 魔耐:223 体力:233
魔回:412/412 取得限度:8/♾️ BP:6
スキル:器用貧乏・ボーナス・応用(ユニーク)
 アイテムボックス(1000×20)Lv.2・火魔法Lv.4
 氷魔法Lv.1・体術(足)Lv.3・クエストLv.1・気配隠匿Lv.1・存在隠蔽Lv.1・姿隠しLv.1
——————————————————————————————
(ステータスの物理方面が俺の2倍くらいもあるぞ。でも、魔法の連発でなら倒せるかもな)
(ファイアストームとアイスブロックを組み合わせたら氷礫がぶつかる衝撃でそこさこダメージがはいるんじゃないか?いや、でも、炎の熱で氷礫が溶けるか?だとしても、氷の性質を魔法でいじれば、あまり溶けずにぶつけられるか?それとも、毒触れの短剣で毒を付与してから逃げ回れば毒が回って倒せるか?よし!毒付与してから魔法を連発すれば……。そうしよう!)
「こっちだ!こっちを見ろ!」
〔グオ?グオガゴー!〕
陸が声を発したことで、発動していた隠密系のスキルは全て強制解除された。
だが、解除されたことでフレアオーガが陸に気づくと、すぐに殴りかかってきた。
殴りかかってきたのを陸がギリギリでかわすと、すれ違いざまに毒触れの短剣で浅く斬りつける
「毒付与成功っ!からの、火焔旋風《ファイアストーム》!氷塊《アイスブロック》!氷性質操作《アイスコントロール》『難溶性付与』!」
〔グオッ⁈〕
「あとは、逃げ回りながら魔法連発するだけ!」
またフレアオーガが殴りかかってくるが、最初の一発で目が慣れたのもあって、余裕を持って躱すことが出来た。
————————————30分後——————————————
最初の頃と違って、フレアオーガの動きにキレがなく、余裕で買わせるほどまで弱っていた。
「もうじき倒せるかな?じゃあ、もう異界の長剣で斬るか」
陸はアイテムボックスから異界の長剣を取り出した。
〔グオ?グオーーーー‼︎‼︎グ、グガー‼︎〕
フレアオーガももうじき自分が死んでしまうと分かっているのか、最期の足掻きをしようとしている。
「これでっ!終わりだっ!」
 陸は異界の長剣を使い、フレアオーガの首を刎ね飛ばした。
〔グガー‼︎〕
【経験値を1548000獲得しました。】
【レベルが上がりました。】
【ランクが上がりました。】
【ボーナスポイントを4720獲得しました。】
【ボーナスポイントをスキル『ボーナス』の効果で更に4720獲得しました。】
【称号を獲得しました。】
——————————————————————————————
 巫坂 陸 Lv:23/48 Rank:24/9999
 job:神を内に宿しもの(隠蔽中)/挑戦者(I級)
筋力:215 耐久:223 速度:217
魔攻:227 魔耐:223 体力:233
魔回:8/412 取得限度:8/♾️ BP:4726
スキル:器用貧乏・ボーナス・応用(ユニーク)
 アイテムボックス(1000×20)Lv.2・火魔法Lv.4
 氷魔法Lv.1・魔法合成Lv.3・体術(足)Lv.3・クエストLv.1・気配隠匿Lv.1・存在隠蔽Lv.1・姿隠しLv.1
称号:「格上殺し」「焔鬼討伐者」
——————————————————————————————


——————————————————————————————
巫坂 陸 Lv:7/18 Rank:9/9999
 job:神を内に宿しもの(隠蔽中)/挑戦者(I級)
筋力:215 耐久:223 速度:217
魔攻:227 魔耐:223 体力:233
魔回:412/412 取得限度:8/♾️ BP:6
スキル:器用貧乏・ボーナス・応用(ユニーク)
 アイテムボックス(1000×20)Lv.2・火魔法Lv.4
 氷魔法Lv.1・体術(足)Lv.3・クエストLv.1・気配隠匿Lv.1・存在隠蔽Lv.1・姿隠しLv.1
——————————————————————————————
「よし、今のフレアオーガ戦でかなりレベルとランクが上がったな。これなら、最下層を突破して最下層の転移陣を利用して帰れる!」
————————————x時間後——————————————
「はぁはぁ、やっと、倒した……
【経験値を1861200獲得しました。】
【レベルが上がりました。】
【ランクが上がりました。】
【ボーナスポイントを250獲得しました。】
【スキル『ボーナス』の効果により、更に250獲得しました。】
「ステータス」
——————————————————————————————
巫坂 陸 Lv:23/60 Rank:39/9999
 job:神を内に宿しもの(隠蔽中)/挑戦者(I級)
筋力:215 耐久:223 速度:217
魔攻:227 魔耐:223 体力:233
魔回:412/412 取得限度:12/♾️ BP:19580
スキル:器用貧乏・ボーナス・応用(ユニーク)
アイテムボックス(1000×20)Lv.4・火魔法Lv.7
氷魔法Lv.4・体術(足)Lv.3・クエストLv.1・気配隠匿Lv.1・存在隠蔽Lv.1・姿隠しLv.1・火属性魔物特効Lv.4・高温耐性Ll.9
称号:「格上殺し」「焔鬼討滅者」
——————————————————————————————
今、俺はこの階層——第59層の階層守護者《フロアガーディアン》である、『フレアギガント・タンカック』を討伐した。こいつは、タンク役と、アタッカーの両方をこなしていて、仲間だったら心強いが、敵だったらとてもめんどくさい、そんなタイプの敵だった。そして今、最下層手前のフロアガーディアンを討伐したので、次の階層へと進むとボスへと挑める。
どうやら魔回は1分ごとに1%回復するようで、ランクが30を超えたあたりから魔法は使ってこなかったので、MAXの状態で使える。体力も万全、メンタルは重症、でも問題ない。
「それじゃ、ボスの面拝みに行くか」
ギィィィィィィィィ————
グアアアアアアアアア‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎
「さっすが上級迷宮のボスだな。ただの咆哮でさえ空間をビリビリと揺らしてるよ。でも、俺はここに来るまでさんざん敵を殺してきて、レベルを、ランクを上げてきたんだ。そんなの効かねえよ」
[ほう、我が咆哮に怯えぬとは、なかなか良い筋をしているな]
「お前、喋れるのか?」
[喋っているわけではない。これは念話だ。では、最後の試練を乗り越えてみよ‼︎]
「おう!まずは鑑定が先だよなぁ‼︎」
——————————————————————————————
種族:ルビードラゴン
job:迷宮王/紅玉竜
魔物属性:火・炎・焔・竜
筋力:1896 耐久:1859 速度:989
魔攻:1256 魔耐:1264 体力:5900
スキル:|竜の息吹《ドラゴンブレス》Lv.MAX・|竜の爪《ドラゴンクロー》Lv.MAX・|竜の牙《ドラゴンファング》Lv.MAX・|竜の尾《ドラゴンテイル》Lv.MAX・焔魔法Lv.MAX・
称号:迷宮王《ダンジョンマスター》・紅玉竜《ルビードラゴン》
——————————————————————————————
「このステータス、ただの絶望もんだな、どのステータスも、足元にも及ばない。でも、今まで溜め込んだボーナスポイントを全部、速度と筋力に振れば、倒せる!」
——————————————————————————————
巫坂 陸 Lv:23/60 Rank:39/9999
 job:神を内に宿しもの(隠蔽中)/挑戦者《チャレンジャー》(I級)
筋力:10005 耐久:223 速度:10007
魔攻:227 魔耐:223 体力:233
魔回:412/412 取得限度:12/♾️ BP:0
スキル:器用貧乏・ボーナス・応用(ユニーク)
アイテムボックス(1000×20)Lv.4・火魔法Lv.7
氷魔法Lv.4・体術(足)Lv.3・クエストLv.1・気配隠匿Lv.1・存在隠蔽Lv.1・姿隠しLv.1・火属性魔物特効Lv.4・熱耐性Ll.2
称号:「格上殺し」「焔鬼討滅者」
——————————————————————————————
紅玉竜が試練を宣言すると同時に自慢の緋い尾を常人なら反応すらできない速度で振り払ってきた。
陸に尾が当たるまで、3、2、1、陸が消えた。
別に反応しきれずに尾に当たり、跡形もなく消し飛んだわけではない。
尾が陸に当たる直前でジャンプしただけだ。
「んなの当たらねえよ!」
陸はもう耐久的に限界を迎えつつある異界の長剣で紅玉竜の眼を狙うが、今度は鋭い爪で弾かれた。だが、爪で弾かれた勢いを利用して紅玉竜から距離をとる。
今度は氷魔法がLv.4にまでなる事で使えるようになった魔法、ブリザードと、Lv.1から使えるアイスブロックを組み合わせた魔法その名を——
「魔法合成!材料設定!ブリザード・アイスブロック!発動!ブロックブリザード!」
この魔法は、紅玉竜が火属性を持っているからこそできる技、火属性への特効効果のある氷属性と、俺の持つスキル、『火属性魔物特効』で、2重にクリティカルを叩き出せる。
「これならっ!お前も倒せるだろ‼︎」
陸渾身の魔法は、紅玉竜にぶつかったと同時に霧散した。
代わりに、何をしても傷ひとつつかない紅玉竜の体をボロボロにしてから、霧散した。
[グオッ!お、お主…]
「これでっ!終わりだ‼︎」
陸はもう壊れかけている異界の長剣を手に持ち、残り僅かな体力を振り絞って、陸と紅玉竜の間にある距離を一気に詰める。
[貴様…!この速度、今まで隠しておったな‼︎]
「いや、隠してないよ。残りの魔法使用可能回数である、215回を、全部身体強化に使っただけだから。つまり、身体強化は、一度で1.5倍にしてくれる。今回は215回したから1.5の215乗倍なんだよ!詳しくは分からねえが、少なくとも、一億倍以上は強化されてんだよ!」
[そんなっ!それでは強化終了後の反動でその身が滅ぶぞ!]
「問題ねえよ。だって、お前を倒してから、そのボーナスポイントを全部耐久に振れば、死にはしない」
じゃあ、
「死ねええぇぇぇぇぇ‼︎」
陸は何億倍にも強化された身体能力をもって、全力でその長剣を振り下ろした。
[お主なら、ヤツも倒せるかもな……。期待してるぞ、人の子よ]
【経験値を1億9458万9000獲得しました。】
【レベルが上がりました。】
【ランクが上がりました。】
【ボーナスポイントを25000獲得しました。】
【スキル『ボーナス』の効果により、ボーナスポイントを2500獲得しました。】
【スキル『ボーナス』のレベルが上がりました。】
【スキル『ボーナス』の効果を拡張します。】
【拡張が完了しました。】
『迷宮主《ダンジョンマスター》の討伐を確認しました。』
『初攻略を確認しました。』
『条件を満たしました。初攻略報酬、【異空の収納袋】を贈ります。』
『迷宮主《ダンジョンマスター》の討伐を確認いたしました。転移陣《ワープマーク》を展開します。』
『転移罠《ワープトラップ》による来訪を確認しました。特例として、吹雪の迷宮第2層へと転移先を変更します。』
床にアナウンスと同時に青白く光る魔法陣が現れた。おそらくこれが吹雪の迷宮、第2層へと繋がっているのだろう。そんな予想を抱きつつ、陸は魔法陣の中へ入った。
————————ラインウッズ王国・王城の一室———————
コンコンコン——
「誰だ?」
「マルクラス侯爵家当主、ライナーズです」
「入れ」
「国王様、報告が一件あります。王都近辺の上級迷宮である『火口』が攻略されました」
「何っ⁈それは真か⁈」
「はい、本当です。何でも、先日追放した召喚者が攻略したようです」
「ほう。まさか、あやつはそれなりに使える奴だったというのか?」
「認めたくありませんが、事実のようです」
「今すぐ、その者を王城の謁見の間に呼び出せ」
「はっ。仰せのままに」
——この時、上級迷宮『火口』を攻略した巫坂陸に対して召喚状が出された。
————————時は陸に召喚状が出される少し前———————
「ふう、やっと事情聴取とかランクアップ手続きが終わったな。疲れたぁー、そうだ!確か『ボーナス』の効果が拡張されたってアナウンスされてたな。確認してみるか、ステータス」
——————————————————————————————
巫坂 陸 Lv:18/80 Rank:43/9999
 job:神を内に宿しもの(隠蔽中)/挑戦者《チャレンジャー》(D級)
筋力:10005 耐久:5223 速度:10007
魔攻:227 魔耐:223 体力:233
魔回:1856/1856 取得限度:12/♾️ BP:0
スキル:器用貧乏・ボーナス(効果拡張段階2/50)
応用(ユニーク)・アイテムボックス(2000×100)Lv.6
火魔法Lv.7・氷魔法Lv.6・体術(足)Lv.3・クエストLv.1
気配隠匿Lv.1・存在隠蔽Lv.1・姿隠しLv.1・火属性魔物特効Lv.4
熱耐性Ll.2
称号:「格上殺し」「焔鬼討滅者」「上級迷宮攻略者」「竜殺し」
——————————————————————————————
ボーナスII…ボーナスの拡張形態。
現在の機能
I…レベルアップ時のボーナスポイント獲得量2倍
II…取得する経験値を2倍
——————————————————————————————
「まじか…。これじゃいよいよチートだぞ。国とかにバレないようにしないとな。さて、金も入ったし、装備を整えるか」
組合の建物から出た陸は、まず装備を整えるために、『ランガムルグ武器防具店』を目指して足を進めた。
チリンチリン————
「いらっしゃいませ!何をお探しですか?」
「装備を全て新調したい。長剣を2本、状態異常付与の短剣を毒と麻痺で1本ずつで計2本、盾を1枚、胸当てを1つ、見繕ってくれるか?」
「かしこまりました!少々お待ちください」
女の店員の人がそう言ってから奥に引っ込むと、少しだけ声が聞こえてきた。
「お父さ〜ん、4日前に買いに来たお客さんが、装備整えたいって〜」
「欲しいもんの内容は?」
「長剣を2本と、毒付与用の短剣と麻痺付与用の短剣を1本ずつ、盾を1枚、胸当てを1つだよ」
「わかった。そこで待ってろ。おっ!あったあった、このままじゃちと量が多いか?なら、箱に詰めて、と。おぉーい出来たぞー持ってけ」
「はーい」
その声を最後に女の店員の人が大きな箱を持って戻ってきた。
「お待たせしました!お望みの品です!何かご要望がありましたらお伝えください」
「なら、できれば革鎧は飛竜の革で、長剣は両方ミスリルにしたいんだが、いいか?」
(前回の紅玉竜との戦いで、なるべく装備はランクの高い物で揃えた方がいいって思ったから、できる限りランクの高い素材を使いたいからな)
「いいですよー。でも、オーダーメイドなので、多少時間やお金がかかってしまいますが、よろしいですか?」
「具体的には幾らくらいになるんだ?」
「大体ですと、3000万リラほどになります」
「3000万なら問題ない。時間はどれくらいかかる?」
「5日ほどですかね?その間の代替武器はどうします?」
(考えてなかったな。5日か、なら、)
「異界の長剣を1本買っていくことにするよ」
「かしこまりました!では、『毒触れの短剣』を1本で2万リラ、『痺れ短剣』を1本で3万リラ、『絶遮の円盾』を1枚で15万リラになります。魔銀の長剣2本と飛竜革鎧のお代金は受け取りの日にお持ちください。そして異界の長剣を1つで8万リラになり、計28万リラになります」
「分かった。金貨で28枚だな」
陸はアイテムボックスにしまっておいた8694枚の金貨のうち、28枚を取り出して店員の人に渡した。
「確かに。では、また4日後に金貨を3000枚持ってきてお会いしましょう」
「じゃあな」
(じゃあ、あとは回復薬と携帯食を買い足しとくか)
「まずは、肉屋で携帯食買うか」この街にいるのはまだ1、2日程度だけど、大体慣れてきたので、迷うことなく肉屋まで来ることができた。
「いらっしゃい!あっ!お兄さん、また来てくれたのね!ありがとう!何を買うの?」
「干し肉を100束買いたいんだ」
「100束ね、ちょっと待ってて、はい、取ってきたよ。お代は銀貨5枚と銅貨50枚だよ」
銀貨5枚と銅貨50枚と言われたので、銀貨6枚を払った。
「銀貨6枚だね。ならお釣りは銅貨50枚だよ。はい、また来てね」
「ああ、また来るよ」
(やっぱり、この街の人は温かい)
ガチャガチャ——
「巫坂陸だな。王から召喚状が出ている。来てもらおうか」
何故か騎士(?)が俺の名前を呼んだ。
「王から?何故?」
「貴様が上級迷宮である『火口』の攻略者であるからだ」
「は?俺が行く義務はないはずだ」
「王のお呼びであるぞ!それに従うのは当然のことである!」
どうやら引く気はないようなので、行くことにした。
「分かった。行くよ。ただし、“明日”だけどな」
「今すぐに来い、と王は仰せであられるぞ明日などと悠長なことを言うな!」
チッ、明日行くことも無理なようだ。朝一番に逃げ出す予定だったんだが…。
「はいはい、分かったよ。今すぐ行ってやるよ。それでいいんだろ?」
「そうだ。貴様は最初から従っていればいいものをetc…」
「だから、御託はいいからとっとと案内してくれないか?時間がないんだ」
「貴様ごときが私の言葉を遮るなど…!ついて来い、城へ行くぞ」
ようやく本題の城への登城命令についてになったが、騎士(?)が質問してくる。
「貴様はそこまで強くは見えないが、どうやって攻略したんだ?そもそも、何故身の丈にあわない迷宮に行った?」
「火口にいたのは転移罠で飛ばされたからだ。攻略したのは持っているスキルのおかげで攻略できたんだ」
「だが、貴様のステータスではルビードラゴンは遥かな格上だったはずだ。それをわずか4日で倒すには、一体どれだけの努力をしたんだ?」
このことを「ズル」ではなくて「努力」と言うことから、この騎士(?)は根は真面目なやつなのだと思う。
(こいつになら、話してもいいかもな)
「さっきも言ったが、これは俺のスキルのおかげでなせたことだ。俺のスキルは、レベルアップした時にもらえるボーナスポイントを2倍にできるすきるなんだ。それで得たボーナスポイントを全て速度と筋力に振ったら、速度と筋力が1万を超えたから、ルビードラゴンを倒せたんだ」
「そうか…。お前は強いんだな…、あの時に逃げちまった俺とは違って」
「あの時って…」
「おっと、話してたら、城門についちまったな。じゃあな」
聞き損ねてしまった。
(まあ、次に会ったときに聞くか)
城に入ってからは、城内の使用人が案内してくれた。そして、謁見の間に着いた。
「巫坂陸様、ご入室なさいます」
扉が開くと、陸を追放し、ここに呼び戻した張本人である国王がいた。
「よく来たな。そこは褒めてやろう。さて、本題に入るのだが、私に仕えないか?」
————ふざけるな————


「私に仕えないか?」
————ふざけるな————
(あ、やばい。キレそう。なんで?自分で追放しといて使える人間《道具》だったら呼び戻して「私に仕えないか?」だ。ざけんなよ)
「で?どうするのだ?余は時間がないのだ、早く決断せい」
「断る」
「は?今、なんと申した?」
「断る、と言ったんだ。聞こえなかったのか?老いぼれジジイ」
「なっ!いや、私も心は優しいつもりだ。貴様は打首だ!と言うのではなく、お互いにとあるものを賭けて決闘をしないか?余が要求するのはただ一つ、貴様の首だ!貴様が負けたら不敬罪で打首だ!だが、貴様が勝てば、なんでも1つ用意してやろう」
この国王が「決闘をしないか?」と言っている時、国王の顔がとても楽しそうに嗤っていた
「そうか。なら、全ての迷宮に入ることのできる許可証をくれ」
(負けたら死ぬんだし、精一杯欲張るか)
流石に渋るかな〜とは思ったが、国側の代表が負けることは考えていない、と言うように渋る様子はなく、即決してくれた。
「いつ決闘をするんだ?」
「今すぐ、と言いたいが、卑怯だと言われてはかなわんからな、7日後に王城へ来い。逃げることは不戦敗とする」
「別にいいぜ?でも、こちらとしては、できれば対戦相手と会ってみたいんだが、駄目か?」
(俺としては、相手を鑑定しておきたいんだよな…)
陸は断られる、と予想したが、意外と了承してくれた。
「おい!ルーザ・フォーカス第一騎士団団長を呼べ!」
「かしこまりました」
——————————3分後————————————————
「ルーザ騎士団長、入られます」
「入れ」
王の一声で、大きな扉が開き、全身を鎧で包んだ40代半ばくらいのおじさんが入ってきた。
「第一騎士団団長・ルーザ・フォーカス、今ここに参りました。本日は如何なる御用てのお呼びでしょうか」
「楽にせよ。今日は、7日後にそなたと決闘する相手がそなたと面会したい、と申したのでな、呼ばせてもらった」
見ただけで強者だとわかる風体で、鑑定をすると、スキルだけが異常だった。
(鑑定)
——————————————————————————————
名前:ルーザ・フォーカス
レベル56/82
ランク23/9999
筋力:168 耐久:139 速度:156
魔攻:96 魔防:198 魔回:208/208
BP:1020 SP:0 STP:0
スキル:上級剣術Lv.4・中級全身鎧術Lv.3・騎士道精神Lv.MAX・火魔法Lv.8

獲得可能スキル
槍術Lv.1・弓術Lv.1・大剣術Lv.1・熱魔法Lv.1・氷魔法Lv.1・騎士魔法Lv.MAX

加護:魔物敵の神の加護

称号:「天才」「剣の道」「騎士」「騎士団団長」「ルインウッズ王国所属騎士」「火魔法の使い手」「鎧を纏いし者」「守護者」「騎士の鏡」
——————————————————————————————
(あれ?かなり強いと思ってたけど、かなり弱い?)
事実、陸はこの騎士団長はかなりの強者だと予想していた。だが、実際はかなり弱かった。いや、正確にはこの騎士団長はこの世界ではかなりの強者の部類にはいるのだが、陸が火口の迷宮を攻略し、かなり強くなったので、自分と比べてしまっていたので、弱者だと勘違いしてしまったのだ。すると、王は陸が騎士団長のオーラ(笑)に圧倒されてると勘違いして、こう言い放った。
「ルーザ騎士団長はな、中級迷宮を単独攻略したことがあるんだぞ。貴様如きが万に一つ、いや、億に一つも勝てることはないのだ。今からでも降参して、我に仕えることを勧めるぞ」
「いや、むしろお前たちルインウッズ王国が俺に土下座して謝る方が正しいんじゃないか?だって俺、強いからな。でも、どうせ俺が勝つし、今からでもいいぜ?」
「よかろう。それほどまで死にたいようだな。騎士たちの模擬戦場を開けよ!決闘の開始じゃ‼︎」
——————————5分後————————————————
陸とルーザ・フォーカス騎士団長は木剣を片手に騎士の模擬戦場にいた。
「よーい、始め!」

ルーザは安易に動かず、陸の動きを探るようだ。
(動かないな。なら、誘うか)
瞬時にルーザは自分から仕掛けようとしないことを見抜いて、至る所にある窪みに足をとられたように演技した。
「あっ、しまった!(棒)」
王はそれを演技だと見抜けずに騙されて、ニヤリと嗤った。
ルーザも演技だとは見抜けずに斬りかかってきた。だが、それを誘ったのは陸なので、余裕で躱わすことができる。しかし、陸はあえてルーザの剣を受けることにした。そして陸は受けるだけではなく、受け流して氷魔法の氷塊《アイスブロック》をルーザの脛にあたるように発動した。
(ま、流石に当たるわけ—)
「あだっ!貴様‼︎小癪な手を‼︎」
(—あったー!当たった!なんなのこいつ。わざと当たって、ドMなの?早く終わらせよ)
最初はノリノリだった陸だが、急にめんどくさくなったのか、開始10分も経たないうちに終わらせることにした。
「じゃあまずは、足払いしてっと—」
陸は宣言通りに足払いをして、強引にルーザを転ばせると、手に持っていた木剣をルーザの眉間に突きつけ、ルーザに耳打ちをした
『—これでチェックメイト、だな』[#「『—これでチェックメイト、だな』」は太字]
「さて、これで俺が勝ったよな?審判さん?」
陸が声をかけると、あまりにも決着が早すぎて呆然としていた審判がハッとして、結果を言い渡した。
「勝者、巫坂陸!よって、ルインウッズ王国から、全迷宮入場許可証が巫坂陸に贈られます!」
「不正だ!こやつは不正をしたのだ!」

なぜか審判が言い渡したことなのに、王が喚いている。
「なんで、不正だと思うんだ?国王、いや、老いぼれジジイ」
「貴様如きがルーザ騎士団長に勝てるわけがない!これは明らかにおかしい!」
(老いぼれジジイは否定しないんだな)
「いやいやいや、俺は上級迷宮を、単独攻略したんだぞ?中級の単独攻略者相手なら十分勝てる。それが分からないほど耄碌《もうろく》したのか?」
「ぐぬぬ…」
どうやら王はどうしても陸の勝ちだと認めたくないようだ。
「じゃ、俺の勝ちってことで、全迷宮入場許可証を発行してくれよ?渋ったら、国民に全部バラすぞ。仮にも一国の王が異世界から40人くらい誘拐して、無能だから追放したってなれば、どうなるだろうなぁ?」
(今の俺、物凄く悪い顔してるだろうな)
「わかった。では、明日の昼、城へ来い。発行してやる」
「ハハッ、俺の勝ちだから当然だな」
(やっとだ。ようやく、あの時の—追放の決着をつけることができた。これで、この国ですることは、この国の中級迷宮である『砂塵』と初級迷宮で攻略がまだの『吹雪』の2つを攻略するだけだな。あとは、ミスリルの長剣と飛竜の革鎧を受け取るまでに砂塵と吹雪を攻略するか)
——城門まで陸が戻ってきた頃、とある建物では小さな騒ぎが起こっていた——
「主様、一つご報告があります。」
「なんだ?申してみよ」
「先刻、王城の騎士用模擬戦場にて、ルーザ騎士団長様を13歳の少年が圧倒し、勝利したとのことです」
「その者をここに呼び出すことは可能か?」
主様、と呼ばれている人物は陸を呼び出して囲い込みたい、そう考えているようであった。
「残念ながら、その者は組合に属しており、我が伯爵家の権力を持ち出して無理に引き抜くと、ノヴァリナ伯爵家と探索者組合の間に罅《ひび》が入る恐れがあります」
「そうか…」
主様—ノヴァリナ伯爵家当主、ノヴァリナ・ダーナラ。彼は、歴代のいわゆるクソ当主とは程遠く、領民の声に耳を傾けている、領主としてはかなり珍しい部類の良い領主だ。そんな領主なので、無理やりに囲い込むことはしない。だからこそ、かなり残念そうにしていた。
「これは、諦めるしかないのか…。惜しいな」
ノヴァリナ伯爵の判断により、陸に勧誘が来る事は露と消えた。
—4日後、陸は30階層の吹雪と、50階層の砂塵を攻略し終えた—

第一章 完

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アユム

いいねぇ〜 キミの「やる気」を感じるよ。

推敲が必要な部分もあるけれど
文章を整えたあと
「小説投稿サイト」に
上げてみてはどうだろう?

キミのためになる的確なアドバイスを
もらえると思うねぇ〜

期待しているよ。

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