何だかんだで年末も近いことだし。
ちょっとだけ部屋の整理をしたら大きな缶が出てきた。
開けてみたら古い手紙がたくさん。
もう会うことの無い人たち。
少しも懐かしい気がしない。
会社の人達なんてたまたま同じ船に乗り合わせただけなのと同じだからね。
そんな人達とやり取りした年賀状はもう何の意味もないので捨てる。
簡単にポイ。
さらに下の封筒を開くと。
あ、、、
昔の彼からのクリスマスカードだった。
その下は誕生日の、その下はまたクリスマスカード、誕生日、クリスマス、、、。
もう終わったこと。
すっかり納得したつもりだったのに。
「ずっと相思相愛でいよう!」
「愛してるよ」
「これからも一緒だからな」
胸の奥が本当に痛くなった。
昔の甘い思い出の、甘い痛みなんかじゃない。
鋭い痛み。
私、愛されてたんだ。こんなにも。
いつも怒ってた。
ねぇ、何であんたってそうなの?!
ねぇ、何で分かろうとしてくれないの?!
自分の感情を押し付けてばかりだった私。
それでもずっと付き合っていて、その間のイベントごとに受け取ったカード。
どれにも「愛」があった。
あの頃、自分なんて愛されるに価する人間とまるで思えなかった。
苛立ちは、本当は彼に対してじゃなくて自分に対してだったんだ。
こんな私を愛してくれる人なんているはず無い。
「本当に愛してるからさ。信じてくれ〜!」なんてふざけた調子のカードもあった。
なんて愚かだったんだろう。
私、彼の気持ちを知ろうともしてなかった。
私の気持ちがいちばん大事。
母親と全く同じ事してたんだ。
ゾッとする。
パパの悪口ばかり。
ママの気持ちを分からないパパがすべて悪い。
パパはママを悲しませる悪い人。
母は幼い私がそう信じ込んでしまうほど、父の悪口やぐちを並べ立て続けたし、私が大きくなると、今度は苛立ちを私にぶつけまくった。
ママの気持ちをあんたは分かってない!と。
だから思い込んじゃったんだ。
世界で一番大事にすべきは自分の感情。
それを理解しようとしない相手が悪い、と。
完全に間違った考えだった。
なんてことだ!
相手にだって感情も心もあるのに。
それが全く分からなかった。
幼稚で愚かすぎた私。
思いやることも信じることもできなかった。
もう二度と会うことはない。
バカだったんだなぁ、私。
ホント、バカだった。
あんなにも愛してくれてたのに、自分からそれをすべてぶち壊したんだから。
胸が痛い。
今夜はこの痛みに我慢する。
明日には「今の私でいいんだ」から始めよう。
ごめんね。
愛してたよ。
本当に好きだったよ。
一緒に暮らしたかったし結婚したかった。
もう少し私に優しさがあったらよかったのに。
ごめんなさい。
今、言えるなら、聞いてもらえるなら言いたい。
(いまさら言われても困るだろうけど。ここでなら構わないでしょう?)
あの頃、バカで幼稚で自分勝手で愚かだったけど、それでもやっぱり愛してたよ。
ごめんね。
愛してたよ。