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連載小説「Peace」#13 怒りと恐怖と絶望と

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魂が身体から抜け出してしまいそうなのを押さえつけながら、スマホを確認する。
もし明來が動き出すなら、この一週間ほどだ。
「うわ、まじやらかした…!」
明來から不在着信が入っていた。俺がアイツと話していた時間に。
ただ、十分前と表示されている。まだ何とかなるかもしれない。
なんて考えていると、電話が鳴った。誰だよこのクソ忙しい時に。
「はい、もしもし。ご要件を手短にお願…」
『設楽だ!明來今どこだ!?』

書き置きを残し、家を飛び出る。
明來のスマホで明來の位置情報を確認しながら、一心不乱に駆ける。もちろん設楽先生にも共有済みだ。
吹き出る汗の感覚が気持ち悪くて仕方がない。
でも、そんなの気にしている時間はない。絶対に間に合わなければ。

明來は、身体を売っていた。

設楽先生から聞いたとき、絶対に嘘だと思った。でも、出てくる証拠の数々に納得せざるを得なかった。
中学生なんて法律的にも倫理的にもアウトなので、その分給与は弾むという。お金のない明來の家にはうってつけだ。
また、明來の使っている売春用のオンライン掲示板は、闇バイトのグループとも関係しているそうだ。
その闇バイトグループはここ一週間くらいで動き出すんだそう。
明來を犯罪に巻き込ませるわけにはいかない。そう思った設楽先生が、明來と仲の良い俺に協力を仰いだということなのだ。

現在地と明來の居場所が重なった。河原の草に足を取られながらも、明來の名を叫びながら走る。
「天羽!こっちだ!」
「先生!明來は!?」
すると、向こうの方から大絶叫が聞こえる。
「先生、あっちだ!」
声の方へ思い切り駆け出す。四十歳の先生はついてこれてないが、知ったこっちゃない。
着くと、明來が厳つい男たちに囲まれていた。
「うるせぇ!早く身体売ってこいや!」
「やだよ!犯罪者の仲間になってたまるか!」
「もうやってきたじゃねぇか!今更辞めても遅ぇよ!」
「知ってやるのと知らないでやるのは違う!」
「黙れ雌豚!喘ぐしか能が無えくせによ!」
怒りを全面に押し出しながら叫ぶ明來の首に、男の手が伸びる。と、思い切り力が込められる。
「ぁぐっ…!」
「従わねぇなら犯すしかねぇよな〜w そうだ、俺らで輪姦してやろーぜ」
明來の顔に恐怖が滲む。
もう俺も我慢できなかった。出来る限り声を低くし、ドスを効かせて…。
「おい、何してんだよ。」
そこに居た全員が一斉にこっちを向く。いつからそこに居たのかと驚いたような表情を見せる。
その隙をついて明來の喉元の手を振り払い、俺の元へと抱き寄せる。
俺を見つめる明來の眼は、怒りでも恐怖でもなかった。
”絶望”だった。

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