バスに乗ることをあきらめて、
僕は電車に乗った。
河口湖に行くために。
新宿から中央線で大月駅、そこから富士急行線に乗り換えれば河口湖に行ける。
中央線はいつもどおり都会の電車で、他人の視線はまったく気にならなくて、不思議と心地よかった。
乗り換えの駅で駅そばを食べた。
これが最後の食事になるんだろうな、なんて思いながら盛りそばをすすった。
富士急行線の電車は、がらがらにすいていた。観光客で賑わってなくて助かったけれど、ただ観光客らしい白人の外国人の男性二人組が僕の方を見ながらひそひそ話していた。なるべく普通を装ってるけど、僕から暗い雰囲気を感じるんだろうか?
河口湖の駅から歩いて樹海をめざす。
結構遠いことはわかってたけれど、
これが最後だ。
普通の民家の中を抜けて、
樹海の中をどこまで続く道路へと出た。
河口湖は観光で何度か来たことがあったから、少しだけど土地勘があった。
あの頃は、良かったな。
両親も一緒に夏でもひんやり涼しい氷穴、氷の洞窟に入ったのを思い出す。
今日は一人で死ぬために向かっている。
樹海の中の一本道を歩いて向かっている。
(今日はここまで。)
(続きは、またそのうち書くよ。)