20502100。目が覚めると夜明け前でした。普段、寝室は雨戸を閉め切って真っ暗にして眠るのですが、その夜は何か億劫だったのか、軽く横になってそのまま寝てしまいました。夕暮れ時の光は寂しい感じがするのですが、夜が終わる時の色合いは心が透き通る感じがして好きです。水の中に居るみたいなトーンをしている気がします。
程なくして日が昇り、とてもよく晴れた空は雲一つなく、空気も澄んでいる。適当に家事を済ませてから、その日も退屈しのぎに辺りをプラプラしていました。
土手道を車で走っていると、どこかで米農家が畦道の草刈りの後に、枯れ草を焼く匂いが風に混じります。植栽業者が土ぼこりを巻き上げながら、土手の傾斜を延々と歩いている。殆ど枯れているような川の流れは、遠目から見ると黒黒としていて遅い。
一日中、そんな感じでのんびり過ごしてからーー非常に健康に悪いことは承知しているのですがーー体力が余っている感がありましたので、久しぶりに限界サウナを行い、完璧に脱力しました。夜風を浴びて外気浴をしていると、露天風呂の植え込みの中に、椿が植わっていることに気が付きました。この寒さを気にもとめないように、赤い花弁が梢に憩っていました。
熱して冷ます、そうして2時間ほど体を痛めつけてから、車に乗る前に自販機で飲み物を買ったのですが、あまりに追い込みすぎた為にうっかり缶ジュースを2本買ってしまう失態を犯しました。
途中、駅前のバスターミナルの前を通りがかると、側のイルミネーションはクリスマスが終わっても相変わらず明かりを灯していました。きっと春先まであのままでしょう。
自宅に戻った頃にはもう夜も更けていましたが、履き古したブーツのソールに小さな亀裂が入っていたので、寝る前に補修をすることにしました。ベランダで靴を手入れしながら、タバコを吸い、少し酒を入れて、ぼんやりと星を眺めたりしていました。この時期は心なしか星の光も鋭く見え、凍てつき乾いた色味をしている。銀と瑠璃を混ぜた色とでも言えば良いのでしょうか。陶芸の彩色に使う粉末にも、その種のものがあったと朧気に記憶しているのですが、語呂が良いので造語として、銀瑠璃色とでもしておきます。どんな色やねんとも思いますけれどね。
取り留めのない、心が静かな休日でした。