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【鏡花水月 1 】 前言ってた小説です

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チャイムが鳴った。みんなが立った。授業が終わった。みんなの笑い声に紛れて、1人、コンビニで買った惣菜パンを2、3個鞄から取り出した。

俺にはほとんど感情が無い。無いっていうか、うまく言葉に出せない。みんなに何かを見せられても、ほとんど何も言えない。だからみんな「こいつとは話ができない」って避けられる。そしてこの通り、昼食を食べる友達すらいない。昼休みが1時間で助かった。適当にパンを食べながらただぼーっと、曲を聴いているだけ、それだけで1時間はあっという間にすぎる。そこからは授業を受けて、部活もないので帰るだけ。そしたら自分の部屋にこもってしまえば何でもできる。部屋にこもることだけを考えて帰る「ガチの帰宅部」ってやつなのか、それとも感情が無く、ただ一定の毎日を過ごす「人間の形をしたAI」なのか。わからない。でも多分、幼少期の頃の記憶があるから、AIじゃない。きっと。ただ、不思議なのは、心が鏡であること。前、お母さんが俺に感情がなさすぎて泣いた。悲しんでいた。だから俺にも「悲しむ」という感情ができた。そしたら泣けてきた。俺がどんなに「普通じゃないか」わかって。他の人の感情が心に溜まっていくような、降り積もっていくような感じで感情がわかってきた。最近、感情を知ってきて虚しくなっている。友達がいない毎日、1人で過ごす昼休み。周りのクラスメイト、窓から見下ろす校庭。みんな楽しんでいる。1人だけ。1人ポツンと座っている毎日。もうやめてほしい。終わりにしたい。でもまだ夏。クラス替えまであと半年もある。というか学年…学校中探し回っても、誰も仲良い人なんかいない。自分の部屋で何かする時、1人でぶつぶつ独り言を自分に投げかけては、自分で答えを返す。その繰り返しで、俺の友達は俺だった。

8月。夏休み。3時のおやつを食べていた。部活は無いし、宿題はだるくてやれないし、外は暑いし、ゲームもそろそろ飽きてきた。ただ、唯一の趣味である絵を描くことは飽きなかった。俺はいつも通り自分で妄想した風景をiPadに書き写していた。今日はなぜか満月が頭にポツンと浮かび上がった。本当に突然すぎて描く気が起きない。しょうがなく他に何か思いつかないか頭の中を探ってみても、一度思いついたものは脳内の3割ぐらいを独占する。消えない。満月が邪魔だ。そんなこんなで頭を苦しめられているうちに、日はすっかり暮れてしまった。
「魁斗ー、夕飯できたからおいで」
お母さんだ。満月の妄想がやめられないまま、自室を出てリビングに行く。そこにはキッチンから色々運ぶ忙しそうなお母さんとのんびりお酒の準備をするお父さんがいた。

夕飯を食べ終わって自室にこもると、もうすっかり街灯の光が輝く時間帯になっていた。周りの居酒屋は相変わらずうるさい。少しだけ宿題を見て、使うはずのシャーペンから手を離した。その代わり、iPadの電源をつけ、タッチペンでまた絵を描き始めた。そういえば、昨日書いた絵は描き途中だったっけ。画面をスクロールしながら見ていくと、確かに何かが抜けている感じのする絵だった。昨日…何描こうとしてたかな。確か、流星群でも…と思ってたかな。とはいえ、流星群なんてどうやって描くんだよ。ただ線をシャッ、と引けばいいのか?うーん、違うな。ゲームにはそうやって出てくる。でもあれは動きがあるからそれで綺麗に見えるのか…?うーん、えー…。首を左右に傾けて、眉間をグッとして悩む。全部違う。違うな。もしかしてこれも満月が片隅にいるせいなのか?確かにほんの少しだけ、ぼんやり、ずっと考えてはいた。でもうっすら少しだし、頭は完全に流星群のことを考えているはずだし。またこれに悩む。首を傾げ、少しだけ可笑しくなってくる。そんなうちに月のそばに咲く赤い彼岸花の花まで思いついてしまった。あー!頭痛い!もう容量切れだ。もう寝よう。俺は電池が切れたロボットのようにベットに倒れ込んで眠りについた。

ーーー
「かいとくんってさ、やさしいよね」
「そうかな?」
「だって、さっきわたしがけがしたときせんせいにいってくれたの、かいとくんじゃん。それにだいじょうぶっていってくれた」
ーーー
あー。いつの会話だ?俺が「かいとくん」なんて可愛い名前で呼ばれていた頃。誰と誰の会話だ?俺と誰だ?怪我?何も覚えてない。それに会話しか聞こえない。顔がわからない。誰だ。誰だ?
ーーー
「だってぼく、ちよはちゃんのことすきだもん!」
ーーー
は?好き?何言ってんだよ俺。そんな会話聞いたことねぇし。「ちよはちゃん」って誰だよ。どうやらさっきの会話の怪我がどうのこうのっていう話は俺と「ちよは」っていう人の会話だった。それにしても…「好き」?そんな恋愛感情が芽生えたことあったっけ。「ちよは」の顔が知りたい。見たらわかるかもしれない。俺はなんとなーく名前から顔を想像していたらいつのまにか夢より深い眠気に誘われた。
ーーー

朝起きてみると、外が眩しかった。それでも時計はまだ6時になってない。この時間帯なら勝手に外に出てもバレないかもしれない。俺はそっと家の外に出た。
なんで外出するのか?コンビニに行きたいから。アイスが食べたい。体がチョコアイスを求めてる。欲している。それにしても昨日の「ちよは」って誰だよ。気になって仕方ない。考えているとコンビニをいつのまにか通り越していて着いたのは遊具のない公園の横だった。そこには夏のくせに長袖の制服を着た女の子がいた。木のベンチの横に立っている。俺と身長差はあまり無い。顔には白いマスク。しばらくスマホを見つめていたその顔が、不意に前を向いて、目が合った。気まずくて、すぐ目を逸らした。
コンビニに入ってチョコアイスを買って出てきた頃には女の子はいなかった。家に戻って部屋にこもってアイスを頬張り、また絵を描き出す。流星群はもう諦めた。新しい絵を描こうとしたその瞬間、
「魁斗、あんた今日学校でしょ!」
は?!今日は…え、ほんとだ。ため息を吐いて急いで支度して出ていった。

ーーーーー

今回はここまでー。

あとがきは最終回の時につけますねー!

一応6回に分けてやろうと思うので
6日分の小瓶は全部これになります。
日本語下手でごめんね

またねー。

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