記憶さえなければ。
この記憶さえなければ、私は自由に生きられた。
広い公園を駆け回って遊んでいた私。
クラスの輪の中心で、いつも笑っていた私。
優秀で、どこに行っても一番だった私。
自分の将来は幸せに満ちていると、心から信じていた私。
キラキラ輝いていた私。
自信家だった私。
純粋だった私。
忘れられない記憶。
私の誇りであり、足枷。
忘れられたら、今の私と比較することもなかった。
惨めに感じることもなかった。
何も考えずに、自由に駆け出せた。
なのに、過去にすがってしまう。
過去と比べてしまう。
私は、無駄にプライドが高いの。
自分が負けるのが許せない。
人に負けるのは全然いい。
だけど、過去の自分に負けるのは、本当に嫌い。
自己嫌悪でさらに自分を追い詰めて、身動きが取れなくなる。
自分で自分の首を絞めてしまう。
何してるんだろ。
馬鹿みたい。
過去の自分は、過去の自分。
今の自分とは別人。
そう考えられたら、どれだけ良かっただろう。
きっと、過去の自分は、未来で私が苦しんでいることを知ったら、悲しむと思う。
だって、これからの自分の誇りになりたいって思って、ずっと頑張ってきたんだもの。
これが足枷になるなんて、思ってもみなかった。
忘れたい。
あんな人、私じゃない。
私の顔をした、別人。
そう、あれは別人。
だから、惨めに思わなくていい。
比べなくていい。
あんなに完璧な人なんて、私とは縁が無い。
だから、忘れて。
どうか、忘れてください。
私は、未来の自分が別人になっていたっていいから。
世界のどこかで生きているなら、何でもいいから。
だから、どうか私のことは忘れて、幸せになってください。
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