『きてくれれありかとう」
現地の学校は、霹大附中と姉妹校の関係にあるらしい。
入口の看板の日本語は決して上手とは言えないものの、幼稚園児が書いた字のような愛らしさがあった。
「アフガニスタンの小学校の中では、整備が進んでいるんです。」
解説しているのは設楽先生…ではなく、通訳のアランさんだ。
アフガニスタン出身だが、日本に来た経験もあるそうで、日本語が上手だ。
「日本語、お上手ですね。」
アランさんに声を掛ける。と、アランさんの顔つきが険しくなった。
あれ、なんか気に触ること言った?
「私、紛争で日本に逃げました。でも、アフガニスタンが好き。日本、嫌だった。」
アランさんは、つま先を睨みつけるようにしながら歩く。
「日本語褒められるの、嫌です。」
設楽先生が口を開く。
「じゃあ、小学生との交流の時間だな。」
前配られたパンフレットをほぼ読み上げるようにして説明する。
途中で何人ものあくびの声が聞こえた。
「じゃあ、説明はここまで。…じゃあ、説明より大事な話をするぞ。」
設楽先生の声のトーンが変わった。
ニヤリと笑う姿は、子どもが難しいなぞなぞを出すときのようだった。
「さて、言語が通じない相手と関わるにはどうすればいいと思う?」
…どうするべき、なのかな。
「え、日本語無理でも英語なら行けるくね?」
いかにも一軍女子のリーダーですって感じの人が声を上げる。
「考えてみろ。日本の小学生ですら英語話せないのに、学校すらままならないここの子が話せると思うか?」
瞬殺。一軍女子黙っちゃった。
「俺スマホ持っとるから、音声翻訳でええやん!」
「お前みたいに関西弁の奴は、正確に翻訳されずらいぞ。」
「てか、アランさんでよくね?」
「アランさんは一人だ。」
…先生、レスバ強すぎない?
でも、ほんとにどうすれば良いんだろう。
「でも、ほんとにどうすれば良いんですか?」
心の声とハモった。
「お前らは頭が良いから、知識で挑みに行くよな。でも、テレビのタレントさん見てみろ。英語何も喋れないのに、コミニュケーションを取ってたりするだろ?」
…確かになぁ。
「って言っても、お前らは勉強としてじゃなきゃやる気が起きないか。じゃ、道徳だと思って行ってこい!」
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