名前のない小瓶
君はとても強い子だね。
親の不仲はすごく子供にはきついし、しんどいのに、まだ頑張ろうとしている。すごく強いよ。
私も似たような境遇だったし、多分君が今抱えてる想いに近いことも多分わかる。
そんな自分だから言うけれど、君は今ゴールのないマラソンをしているんだ。
どこまでも続く道を、何もわからないままがむしゃらに走ってる。
親同士の不仲は君じゃどうにもできない部分なのに、それでもどうにかしたくて走っている。
だから、そのマラソンにはゴールがないんだよ。
ゴールのないマラソンはずっと苦しいんだ。
走りきる喜びもなくて、ゴールテープを切る爽快感もない。
あるのは焦りと、自分への怒り。
焦っているから体が疲れているのに走り続けて、倒れてしまう。
自分に怒っているから疲れている自分に優しくできない。
今の君はもう限界なんだと思う。
君が飛び込みたいと思っている電車は、目の前にあるゴールなんだよ。死っていう1番簡単なゴールだ。
もうそこしか見えていないなら、君は疲れているんだよ。
私は、そんな君に頑張ってとは、どうしても言えないんだ。
そんな1番辛いゴールが見えるまで頑張った君に、ひとつだけ言えることがあるならば。
一度、立ち止まって、何か違うゴールを見つけてみないかい?
どんな小さなことでもいいから、ちょっとしたゴールを作ってみるんだ。
今日は布団から起きれたとか、今日は少しだけいい顔でいれたとか。
せっかくだからこの返信を読み切ったらゴールにしようか。
頑張り屋の君が、少しでも楽になれますように。