長いです。
それでも良ければ読んでください。
顧問が怒鳴った。
何も悪くない君に。
君は、へこへこ謝ることしかできなかった。
本当は反論したかっただろうに。
その場の空気を守った。
だけどもう辞めるんだって。
以外と繊細だもんね。
今までにも散々傷つけられてきたよね。
よく我慢して頑張ったね。
本当はみんな引き止めたいよ。
でも、もう二度目はない。
前にもこんなことがあった。
学年で唯一の男子部員の君は、そのせいで堅苦しい思いもしたと思う。
家のことはあんまり知らないけど、バイトもしなきゃいけなかったみたいだし。
その上顧問に理不尽に怒られて。
顧問が機嫌悪い時の八つ当たりの先はいつも君だった。
全員で顧問の悪口言っても、それでもやっぱり気は済まないよね。
あの時はみんなで引き止めて、考え直してくれた。
中学から一緒のあの子は大泣きしたね。
君は、「もう辞めない」って言った。
嘘つきだなんて言わないよ。
だってどんなに苦しんでるか分かるから。
いや、分からないほどに苦しんでるんだろうけど。
本当はまた引き止めたいよ。
またみんなで遊びに行きたい。
でも決めたの。
みんな言ってたよ。
今度はもう引き止めないって。
苦しい思いはしてほしくないから。
みんな君が大好きだから。
でもね。
私達も顧問を許さない。
君を退部に追い込んだのはあいつだ。
間違いなく。
全てはあいつのせいだから、私は絶対許さない。