泣きたいのに涙が枯れた。
感情は泣いているのに表面に出ない。
感情だけが高ぶっていって
壊れて粉々になってズタボロ。
でも、少しずつ欠片がまた繋がろうとしている。
治ろうとしている。
けれども一日が終わるとまた割れてしまう。
僕は夜が好きなのに夜が感情をぶち壊す。
いっそ、全て壊してしまえと囁いて
治りかけていたものを壊してしまう。
そんなことが毎日起こって
僕は感情が完全に破壊されてしまったのかもしれない。
前みたいに感情が高ぶることもなくなった。
泣きたいと嘆いたこともなくなった。
ちゃんと人前でも普通の人やって
笑って笑顔になって話をしたりして。
でも、感情はなくなって。
どこか抜けてしまったような気がして。
そして、粉々になった感情がどこかで囁いている。
奥底から笑いたいんでしょ、泣きたいんでしょ。ってさ。
なんだか皮肉だよね。
今頃になって元に戻りたいだなんてさ。
そんなのできるわけないじゃん。
きっとこれからも空っぽのまんまだよ。って言い聞かせた。
それでもささやき声は止まらない。
なんでだよ、なんで。せっかく空っぽに慣れてきたのに
それをぶり返すなんてひどいじゃないか。って罵った。
喚いたよ。でも、昔みたいに涙が流れることなんてなくてさ。
悲しくなることも傷つくこともなくて
なんだか変だ。おかしいよ。
感情が前みたいに戻って欲しいわけでもない。
冷たい人間だって言われてもいい。
ただ、これからの人生何にもなしで生きていくのは
疲れるのかなぁ。つまらないのかなぁと思った。
人は感情をなくしてしまったら
ただの動物になってしまうのだろうか。
それは嫌だなぁと思っていても
今日もなんにもない僕を受け入れる。
こんな僕ってどうですか?