私は旅をしてきました。最後にここに顔を出した日の何週間か後、親が離婚しました。うちは仲の良い家族で周りから

お久しぶりです。おミズです。

私は旅をしてきました。
今日までの過程をつらつらと書き綴ります。長くなりますが、興味のある方は是非ご覧ください。…

最後にここに顔を出した日の何週間か後、親が離婚しました。
うちは仲の良い家族で周りからも有名でした。
なにがきっかけで親が喧嘩を始めたのかわかりません。でもとにかく毎日怒鳴り合う声、殴り合う音が酷くて私たち姉弟は隅で涙を堪えてました。
兄は大学生なので、バイトしてお金を貯め、家を出て行きました。
弟はまだ中1で刺激が強すぎる。母方の祖母がとりあえずと言うことで実家の九州に連れて行きました。

私は唯一の娘。
父が愛娘のお前だけは手放したくないと言って私を家に拘束しました。学校も行けなくなりました。自分たちが喧嘩してることを、バラされたくなかったのでしょう。iPhoneも没収されました。ここに顔を出せなかったのはそれが原因です。
「私が可愛いなら、喧嘩しないで仲良くしてよ！お兄ちゃんと○○くん(弟)呼んで、またいつもの家族に戻ろうよ！」
私はほぼ毎日そう泣き叫びました。
弟といた時は姉として泣くわけにいかなかったけど、二人の子供としてとにかく喧嘩を見ているのが辛くて辛くて、悲しくて悲しくて、これが胸が張り裂けそうだということなんだなと思いました。

そのうち、母が家にいる時間が減り始めました。
半日が一日になり、夜になっても帰ってこない日が続きました。
そんな日は父の買ってきた弁当を食べました。そして父の、母の悪口を延々と聞かされました。
聞くことが辛い。悲しい。寂しい…
凄い形相で母をなじる父を見て、ああもう仲の良かった家族には戻らないのかな、と流石に思い始めました。

私は父の条件付きでとあるバイトをいくつか始め、お金を貯めました。
一切使わずため続けため続け、11月のとある日、ついに家を飛び出しました。
その頃には親は離婚し、私は父と同居していました。でもその頃私はマネキン人形みたいでした。父が私がピアノを弾いているところ、本を読んでいるところ、歌の練習をしているところなどをを動画に撮って見せてくれたのですが、私はどれも一切笑ってはいませんでした。口角をあげることさえしていませんでした。

父の誕生日もどうしても笑うことの出来なかった私は、自分はもう一生笑うことが出来ないのではないか、とその夜思いつめ、笑っていた頃の母と父、兄と弟、そして自分を思い出して死ぬんじゃないかというほど泣きじゃくりました。あとあと聞いたのですがこれは一種の精神病なのだそうです。
友達が心配して来てくれても笑えず、ついに決心したのです。
このままでは私は人間じゃなくなってしまう。
「笑顔」を探しに行こう。

家を飛び出し、あてもなく、文字通り日本中を旅しました。新幹線に乗る前に公衆電話で家を出ることを連絡していた兄が見送りに来てくれ、少しばかりだがと、お小遣いもくれました。そしてその時に買ってくれた家族共通で大好きだった明治の板チョコは今でも忘れられないです。

流石に新幹線の中で涙が出ました。親が喧嘩さえしなければ私は今頃笑いながら家族と会話し、学校ではしゃぎ、部活も思い切りできたはず。
神様、どうして私をこんなに不幸にするの⁇そんな思いで胸が潰れそうでした。
その時、隣に座っていたOLっぽいお姉さんが凄く小さな声で「あの…これ」。となにか差し出して来ました。
…一生忘れることのない、コスモスが刺繍してある薄い桃色のハンカチでした。
まず一つ、暖かいものに触れました。
その時笑顔にはなれなかったけど、感謝の気持ちでいっぱいで、久々に辛いこと以外で泣けた気がします。
また、新幹線を降りる際、斜め前に座っていたおばさんに、「若いんやから泣かないで頑張るんやで⁇」と、微笑みながら声をかけられました。その言い方が例の私の大切だった、亡くなった親友に似ていてまた泣けました。

でもいいことばかりは続かず、とある県でヤンキーっぽい人に絡まれ、お金を取られました。喫茶店で一息ついてる時に知らないおばさんに「どけよ、チビのくせに偉そうに座りやがって！！邪魔くせーんだよ！！」と怒鳴られました。
親戚に身を寄せた時、事情を知ってるのにわざと知らない振りして冷たく追い返そうとする人もいました。

それでも10回に1回の割合でいい人に出会いました。
全く見ず知らずの人に笑顔と優しさを向けられるその人たちに感動しました。時には小さな子に無邪気に話しかけられたこともあります。時には障害のある方に声をかけられたこともあります。

私は思いました。
私はまだ笑顔を忘れてはいけない。
親が離婚した辛さ以上の辛さを背負ってる人も中にはいるかもしれない。
この宛名のないメールにも、私より辛くて苦しそうな人は沢山いる…
私に色々なことを教えてくれたベルさん、美桜さん、ユウヘイさん、その他の人もいる。
私は沢山笑顔を向けて貰った。
優しい親戚もいて、何日もお世話になった。
最後に弟の顔を見に行くと、弟は家の外である事にも構わず、号泣しながら私に飛びついて来た。
私はまだ沢山の人に愛されてる。私はまだ生きてていい。笑顔でいていい。

やっぱり戻って、今度は私が、些細なことでもどん底に突き落とされてるひとに寄り添って、早く笑顔を取り戻させてあげたい。

そうして私は戻ってきました。

もっと辛い思いをしてる人にとってこんなことって大げさで変なことかもしれませんが、でも私は旅をしなければ家の中でうずくまってそのまま笑顔を忘れていました。

余談ですが、二日泊まった小さな宿先で、一個上の同じような境遇の男の子に出逢いました。彼とは今も連絡を取り合って励まし合えるほどの仲になれました。

これでよかったと思っています。
父は私が家出をしたのに明るくなっていることを不思議に思いながらも喜んでくれました。そして涙ぐみながらごめん、ごめんと謝って来ました。

これからは父ともやって行ける。
母のことを思うとまだ胸が痛いし、自殺してしまった親友のことを考えると後を追いたい気にもなる。
けど私は旅してきたことを無駄にはしません。

私に笑いかけてくれた方たちが逆に泣きそうになったときに今度は私が笑顔を送りたい。

また辛くて泣きじゃくる日が来るかもしれません。
でもその度に私は前向きになれると思います。

笑顔は大切です。
笑顔が一番です。

これを偶然に母が見てくれたらと密かに願っています。

長々すみませんでした。

またこれからもよろしくお願いします。

byおミズ