所さんのダーツの旅。ひとりのにこにこしたおばあちゃんが白い犬を連れてました。初めてこれ見たとき涙が出るほど

去年かおととしに見た、所さんのダーツの旅。ひとりのにこにこしたおばあちゃんが白い犬を連れてました。

(ワンちゃんかわいいですね、名前はなんて言うんですか？)
「シロちゃんいうの。息子が犬でも飼えっていうんで、柴犬とこの子を」

(あ、もう一匹いるんですか？柴犬はなんて名前なんですか？)
「その子もシロちゃん」

(えーっ！同じ名前？どうしてですか？)
「まぁ、どーでもえぇ思ぉてねぇ」



私、初めてこれ見たとき涙が出るほど笑ったんですが(しかもばあちゃんが可愛すぎてめっちゃ癒される‥！)、それ以上にものすごい衝撃で。飲みこむまでに何秒か、かかりました。

だって名前って、一生懸命考えに考えたことしかないよ。歳を重ねるごとにある程度フィーリングでつけられるようにはなったけど、ペットはもちろん、ゲームのキャラ名とかめっちゃ悩んだ記憶しかない。(今はデフォルト派だけど)


自分の中の常識が、ぱーん！とぶっ壊れた。私、大事なことでちゃんと悩んでるつもりだったけど(この発想がすでに苦労信者)、実はどうでもいいことも混ざってたんじゃないか？

勝手に自分が、こうなりたい、こうでありたい、こうあるべき、と思ってたから葛藤が生まれてただけで、悩んでたつもりですでに答えが出てたりすることに関しては、本来悩まなくてもよかったんじゃないか？悩んだところでどうにもならないのにあがいてみたりする必要はなかったんじゃないか？


無理に答えを出す必要のないこともあるし、時間が経って自然と変わってくるものもある。
もちろん、無駄だったわけじゃない。だけど、どうしても必要だったわけでもないような気がする。



自分が苦労して手に入れたものには、付加価値をつけたくなる。
大して価値のない石ころも、汗水たらして得たのならダイヤモンドのように見えてくる。
この石ころを得られたから、犠牲にしたものは間違いじゃなかったと、「思いたい」

だけど、その石ころはただの石ころでしかなくて、その辺にも違うやつあったじゃんって。
意地張って無理して背伸びして、必死に遠くを見て追い求めた石ころは、自分が力を抜いて少ししゃがむだけで手に入ったかもしれない。

「幸せはいつも自分の中に」とかそんな話じゃなくて。



それで今でも、黒い渦が胸の中でぐるんぐるんまわっている時、「まぁどーーでもえぇわぁ」と頭の中でつぶやくと、
1つの物事にまとわりついていた余計な感情が、すーっと引いていくことが多いです。

自分の問題を投影せずに、ただシンプルにその現象に対して向き合えて、本質が見えて、おのずと対応策が浮かぶ。




余計な感情ごと吐き出すのも悪くないけど、精査してみると自分の身になる。徒労も減る。
そんなことを考えながら、26歳になります。今年も色々ありましたが、良い1年でした。

皆様、心穏やかに、良いお年をお過ごしください。


沙樹