その椅子は、あなたです。
疲れたとき、ねむるまえ、
腰掛けて脚を伸ばすだけで
私の全身は
ただ心地よいだけの
求肥につつまれた
あんこになります
それはそれは
滋養強壮芍薬入りと銘打った
怪しげなドリンクの数千倍、
わたしをうっとり導きます。
うっかり冬場に腰掛けてしまうと
やはり
うっとり眠ってしまい
相当の理性を使わないと
立てなくなってしまう
魔物のような椅子です
腰掛けるたび、
この幸福をくれたあなたに感謝します
世界が変わるということを
教えてくれたあなたの存在ありきの
お買い物です
だから、おとななのに
だっこしてくれ〜と言って
座るのです
それなのに
わたしは自分のこの気持ちが
なんなのか?わからないままです。
いろんなものに惑わされて
あなたの言葉と
あなたの言葉によく似た
だれかの言葉との
区別がつかないときがあるのです
そこまで含めて
私は、自分という人間を
なにかに、試されているのでしょうか?
まいたん