引越しの準備をした。
アルバムが出て来たので、何十年振りに見たら、中に手紙が入っていた。
若い頃に頂いた激励の手紙だった。
読み返して思った、「俺はこれに近付けただろうか。」と、「否だ。」
誰かにこの言葉を贈るべきか?
相応しい人間は見当たらない。
宛メの読者の方が、感性が高い人が多いと思うから、書き込もう。
「自分の中の可能性信じて、全力を尽くせば、自ずと道は拓かれる。
神様は運命という名の殺戮はしない。
奇跡という名で、御前の可能性を確かめるための、試練を与えるだけだ。
行く道は雪なのか、冷たい雨なのか、灼熱の砂漠なのか。
御前が疲れた時、足下を見ろ。
そこには、俺達の屍が転がっているだろう。
しかし、恐れる必要はない。
良く見ろ。
その屍は、御前の行く手を遮らない様に倒れているはずだ。
俺達の屍を踏み越えて行け。
俺達が流した血の河を渡って行け。
俺達は御前の可能性を、何よりも信じている。
恐れるな。」
冒険家 植村直己
若い頃に頂いた手紙だった。
誰かの心に響けば良いな。