たぶん、きっと、
逃げたいんだ私。全てのことから。
どんどん時間だけは過ぎて行く。タイムリミットが迫ってくる。
わかってるのに、動けない。できない。わからない。
何度も描き続けた。編集さんに何度だめだと言われたって。
次こそはもっといいものが描けるんだって、みっともないくらいしがみついて、何社もまわって。やっと少し結果を手にして。
それでも壁は高くて、登り続けて、また少し乗り越えて。
自分は平凡な存在だと思い知らされた高校時代。
生きてる意味が、生まれた意味がわからなくて、苦しかった。ずっと。
自分にだってできることはあるんだって信じたかった。証明したかった。
だから好きなことをのばしていこうって思えた。学校の勉強をこれ以上続けていく自分のヴィジョンは全く浮かばなかったから。
頑張るの苦手だけど、何故か諦めないでやってこれた。何度も傷つきながら、自分に失望しながら、それでも次に進めてたのに。
あと一歩のところに来て、私は立ち止まってしまった。
怖い。あと一歩が、届かない。
自分の思うものが描けない。違うとわかってるのに、自分を納得させられるものすら描けない。
怖い。時間が進んでいくこと。時間は待ってくれないのに、私は止まってる。
もう一度だめと言われるのが怖い。これ以上描けない自分に直面するのが怖い。
諦めなければならなくなる時が、怖い。
だから、逃げたいのかな。
たくさんのものを振り切って、
たくさんのものに支えられて、ここまで来れたのに。
今さら現実逃避なんてカッコ悪すぎて。
…だから私は、いつまでたっても、自分を好きになれないままなんだ。
私は怖い。
全てのことから逃げ出したい。
…でも本当は、あきらめたくない。
その想いが一番強いってわかってるんだけどな。
…頑張りたくない甘えかな。
どんどん足場がなくなって、追い詰められていくように、
今はただ苦しい。