性的虐待を加えてきてほぼほぼ絶縁状態だった兄と今夜実家のことで会わざるをえなくなった。
実に10年ぶりだ。
まだ吐き気とか震えとかはないけど、今現在肌寒い早朝だというのに変な汗が止まらない。
大丈夫。大丈夫。二人きりではない。
あっちももう妻帯者だ。下手なことはしないだろう。
だめだ。考えてたら涙が出そうだ。
今日の夢に小学生時代の私が出てきた。体育座りで泣いていた。
覚えてる。あの泣いていた場所は当時の私の部屋の隅。
当時もう大学生だった兄に触られた感覚が消えないでずっと自分の体をかきむしっていた。
あのあと理由は言わずに部屋の扉に鍵が欲しいと母に懇願した。
母は了承してつけてくれたがそれは余計に兄を激高させることになった。
そこから日常的に殴られた。椅子を投げられたりもした。
家中追いかけ回されて引き倒されて髪をむしられたりお腹を力いっぱい踏みつけられたりした。
出かける前とかは外で待ち構えられて野球の硬球やそこそこに大きな石ころを投げつけられた。
縄跳びやベルトがあるとそれを鞭のようにして顔を叩いてきた。
冬には水の溜まったバケツに張った氷を投げられたりもした。
全部親の見てないところで。
前髪伸ばして隠してた痣が親にバレて、問い詰められそこから兄と晴れて絶縁状態になって10年。
妻も娘もいると聞いたけど、その二人は大丈夫なのだろうかと余計な心配をしてしまう。
なるだけ無表情で対応しよう。
無駄に感情を見せたらあの人は余計面白がるから。
そういう人だったから。
大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫だ。父もついてる。大丈夫だ。
なんだか頭が痛い。まだ朝も早い。もう少し眠る。
こわいと小学6年生の私が泣いている気がする。