父親が嫌いだった。
母親は大嫌いだった。
友人という名の知り合いも教師もみんな、みんな嫌いだった。
けれど一番嫌いなのは自分自身だった。
自傷が母親にバレて、夏がきて、服が手や足を見せるようになって、跡が見えるから、見えたら母親に殴られるから、切ったり噛んだり出来なくなった。
出来なくなった私は自らの首を絞めることを覚えた。
そして今も不定期に行われる母親の身体検査は何故か更に私を苦しめる。
馬鹿で天邪鬼な私は「頑張れ」という言葉が苦手だった。
言われた人自身にしか通用しなあその言葉があまりにも無責任だから。
私はその言葉をかけられると更にやる気を削られた。
更に自分の首を絞める種になった。
帰り道にある大型スーパーの隅の方の少し暗いところにある「ベンチ」は私の時間つぶしの場所になった。
よく母親に嘘をついてはギリギリまでそこで家へ帰ることを拒むように時間をつぶした。
消えたいと消えてしまいたいと誰か消してくれと何度も願った。
自分の中の醜いものはいつになったら消えるのかといつまでここにいるのかと目に見えない自分を恨んだ。
だけど
そう願うことのそう恨むことの叶わない事実にまた涙した。
いつだってそういう時はバレないように、怒られないように泣いた。
そっと息を吐いては小さくなった。