国公立の前期試験まであと指折り。
私は、今までしっかり勉強してきたと胸を張る事は出来ない。
思えば高校に入学した時からそうだった。
私は2番の成績で入学し、悔し涙を飲んで1番の人の新入生挨拶を聴いた。
それからもテストでは2番か3番か。
ずっと悔しい思いをした。
でもこの悔しさはほとんどの人と共有出来ないことは分かっていたし、言ったところで嫌みでしかないことも心得ていたから、誰にも言わず、逆に気持ちを隠すために誇らしげな顔をしていた。
でも最後までその壁は越えられず、今、私に残されたのは大学受験だけ。
強い者が勝つのではない。勝った者が強いのだ。
だから私は絶対に合格する。
もう二度と、二番手に甘んじてたまるか。
その決意。
私という人を知る人が居ない場所で、嫌みではない、純粋な私の思いを、放つ。
この三年間、負け続けた。でもそれでいい。
最後に勝った者が全ての勝者。
誰と比べるでもない、自分との勝負。
ここで負けたら、私は、死ぬ。
それくらいの覚悟を持つんだ。
もちろん本当に命を絶つ訳ではないけれど。