小さい頃には理解出来なかった悲しいやら苦しいやら寂しいやら、そんな感情を今更理解している。
家からよく追い出された。
考えを押し付けられはしても、主張は聞いて貰えなかった。
こっそりと目標を書いた紙、見つかって鼻で笑われて捨てられた。
最近なんだ。
自分が親にされてきた事が虐待だったって、言われてきた事が脅迫だったって。
もう嫌だ。家を出たい。
そう思ったのに、それなのに、親は病気だ。
しかも治らない、難病だ。
体が動かしにくい。
手伝って。
支えて欲しい。
あなたは散々私の心を捨てて来たのに、今更私の心に頼るのか。
ふざけるな。
過去の自分が理解出来なかった感情を理解してからの、
憤り。
でも今その感情を親にぶつけた所で、それじゃあただの弱い者いじめ。
それでも悲しいのは変わりないから、そっと泣く。
ごめん、君だって愛されたかったよね。
認められたかったよね。
怒りたかったし、泣きたかったよな。
せめてもの慰め。
小さい頃の自分よ。ごめんな。