子供の頃から、子供が大人になることが不思議だった
明日のことすら分からないのに、周りの子たちは楽しそうに「大人になりたい」って笑っていた
みんなが「パイロットになる」「私はケーキ屋さんか花屋さん」と楽しそうになりたい自分を語っている時に感じた疎外感は今でも忘れられないし
「あなたの将来の夢はなに?」って聞かれても困惑しか感じない自分が恥ずかしくて
みんながなりたい自分を思い描けるのに、私は一度も胸を張って答えることができなかったことが辛かった
それは大人になっても変わらなくて
十年前の私は「大人って歳になればなにか変わっているはずだ」と思っていたし、それより十年前の私には今の私よりも十年も年下の私に「大人の自分は今の私には思いつかないことをたくさんしているのだろう」とぼんやり思っていた
いつでも十年先を思い描けないから成り行き任せ
だけど幼少期から誕生日が怖かった気持ちがあったと気付いた
齢一ケタの時から歳を取るのが怖かった
もっと言うなら大人になるのが怖かった
責任とか義務が見えてくるたびに恐ろしかった
大人にならなければならないことが恐ろしかった
十年前の私が今の私を見れば失望するだろうし、二十年前の私が今の私を見れば絶望するのだろう
周りは夢を叶えていたり、目標に向かって努力しているのに、私はずっと子供の感覚から抜け出せない
もうすぐ若いって年齢から離脱しなければならない歳なのに、未だに子供のままでいたいと願う自分が…一番怖いです