クシが折れた
ポッキリ真っ二つに折れてしまった
最近、変な夢…というより不気味な夢ばかり見るからか寝た気がしなくて寝不足気味
そんな目覚めの悪い状態でそれを認識したとき、ため息しか出なかった
キーボードの調子か悪くて打ち込みしづらいのもイライラするし
夜になると自己主張する気満々のバイク軍団が走り回ってうるさいし
やっと眠れると布団に入れば殺人鬼だの死体だのが出てくる血まみれの夢を見てはゲッソリと起き上がる
頭痛外来で緊張をほぐす漢方を処方されてるのに効きゃしない
悪いことが起きているわけじゃない
代わり映えのしない日常ほど素晴らしいものなんてないじゃないか
だけど、どうしようもなく疲れるんだ
周りに置いて行かれている状況なんて、ずっと昔から続いていたことなのに…
前に進みたきゃ動かなきゃ変われるわけないでしょう?…がむしゃらに動いたって意味ないんだよ?
疲れているなら一休みしてから頑張れば良い…みんなができることを頑張るとは言わない
逃げずに挑戦しなくちゃ夢は叶わない…人には向き不向きがあって、諦めることも大事だよ
努力はいつか報われる、努力したことだけは裏切らない…結果の出せない努力はないのだから、それは努力じゃない
あなたの人生なんだから、あなたのしたいように生きなきゃいけない…人は一人では生きられないのだから、みんな我慢して生きているんだ
可哀そうな境遇だった過去を捨てても罰は当たるまい…環境を言い訳にしてはいけない、そこにいると決めたのは君自身なんだから
親元から巣立って自立した大人になることを怖がってはいけないよ…家族を支えられるのは、やっぱり家族だけなんだから面倒をみるのは当然だ
みんなが私を励ますために言った言葉は、後から必ず言った本人によって反故される
そして聞くたびに、言われるたびに空しくなってしまう
じゃあ、どうしろと?って思ってしまう
優しい言葉も共感も、けっきょく私の糧にはならなかった
今日もバイクの音を子守歌に、私は殺人鬼に襲われたり、惨殺された死体が映し出されるような夢を見るのだろう
そして明日もなんにも変わらない、なんにも変えれない日を送るのだろう
映画や小説だってそうじゃないか
いくら平凡設定を連ねても、主人公は必ずなにかに巻き込まれるなり才能を開花させるなりの変化ときっかけを手に入れられる人じゃないと務まらない
折れたクシを見て「人生とは…」なんてプロローグを心中で呟けなきゃ務まらないのだ
ため息吐くだけじゃ、人生なんて変わらない
そう断言できたら、もう少しスッキリとした目覚めを味わえるのだろうか…
ななしさん
悪夢のメカニズムなんて俺の知った所じゃないけどさ、うちの親父が亡くなる少し前に前世のことを坦々と語り出した。不安から来る妄想なのかもしれないけれど、それだけでは片付けられないほどあまりにもリアルでね、そんなこと言いそうもない親父だったからスゲー驚いた。
消されたはずの記憶は間際に思い出され、また次の世界へ…
人は何かを背負って生まれてくる。
そんなことを考えさせられる出来事だった。
もしも輪廻があるならば、現世に限った励ましは響きはしない。
好きに生きてなんになる。
一生努力し続けてなんになる。
夢を叶えてなんになる。
前後の見えない現世だけ見てたら一生かかっても答えは出てこない。「我が人生に悔いなし」みたいなバイクの軍団となんら変わらない自己満足で終わってしまう。
まぁ、考えても考えなくとも、動いても動かなくとも人生の終焉は確実に近づいてくる。
周りに置いて行かれることなく皆平等に。