読書録の小瓶。
山竹伸二さんの『「認められたい」の正体 承認不安の時代』を読んだ。
「空虚な承認ゲーム」をどう抜け出すかという問いを掲げたこの本は、承認欲求についての考察が記されている。
この本は図書室で見つけた。
自分の「認められたい」の気持ちについてずっと考えてきたので、自分の考えの答え合わせも兼ねて、承認欲求について学術的に知りたいと思って借りた。
印象に残っているのは、「自己了解」の大切さについてだ。
自己了解とは、簡単にいうと自分の無意識下にある欲求に気づくことで、これが神経症の治癒において重要だという。
大好きだった前任の主治医の先生から、
「どんな時に、どうして体調が悪くなるのかをじっくり考えなさい」
と言われて実践してきたけれど、あれは自己了解を促していたのかぁ、と腑に落ちた。
実際、自分の中の欲求を認めて、それが満たされたことによって、私の体調不良は少しずつ回復に向かっている気がする。
この本を読んだことによって、現在の自分の思考や行動はよいことだという確信を持つことができた。
過去の行動や感情の理由もはっきりして、また少し、過去の自分と向き合えた気がする。
現社で習ったフロイトの防衛機制やマズローの欲求階層説について理解を深めることもできた。
自力で得た知識と、学校の授業と、病院で言われたことが繋がって、「わかる」感覚がとても楽しい。
学ぶことって素晴らしいと思った。
親との関わりや、集団内での「認められたい」に苦しんでいる人に読んでもらいたいなと思った。
承認欲求を体系的に理解したら、満たされるヒントが見つかるかもしれない。