ひとりごと。
小説を、書いている。
いちばん大切な時間。なんとか届くものをつくりたいと日々願う。
私の小説は、登場人物の顔がみえない。心の底、何考えているのかわからない。すきにも嫌いにもなってもらえない。
物凄い、欠陥だ。
世界観は、すきだと言ってもらえる。
風景が目にうかぶ、何気ない描写がいい、と。設定も面白いと言ってもらえるようになった。
書いていても感じる、主人公はこの子じゃなくてもいいな、って。
出来ることなら、丁寧につくりあげたこの世界に魅力あるひとを放り込んで、思うまま進んでもらいたい。
書くときだけは真っ直ぐでありたい。
なのにお話のなかでさえ、自分の気持ちがわからない、私ばかりが主人公。
私もそんなひとなんだものな。
相手によって簡単に変わって。
肝心な気持ちは言ったことがない。
だいすき、も大嫌い、も向けられずに、やり過ごしてやり過ごして。
自業自得で、寂しいなんて言えない。
今は、いっそこんな気持ちをぜんぶ書いてやろうと思っている。
痛い。
普段は一晩ほどキーを叩けばそれなりには仕上がってしまう短編。そんなの絶対届かないから。
だけどこんな気持ちを言葉にしようとすると、一言ひと言削られる。当たり前なんだけどきついね。中途半端にぶちまけたって、出来上がるのは薄っぺらい叫び。
…ん?
薄っぺらさを書けた、これは逆に成長か?
と思いきややはりまだ格好つけてた。
安いきらきらはもういらない。
分厚いひとになれるまでは、
こんな薄さを弱さを、ちゃんと描けるようになりたい。
…まあとりあえず、来週の〆切までに何かしらは書かねばだがなヽ( *・∀︎・)
*オマケ
九月の文化祭。
私たち文芸部の作品に 漫画研究部の方が挿絵をつけた、合同誌を出す。
夏休みに書いた原稿は、結局 B5判の紙にたった四枚。だけど私にしてはしっかり、ひとを描いたんだ。
ふかいところはわからないけれど、それぞれの人物がちゃんと喋ってくれたんだ。
最後のシーン、やっぱり彼女(主人公)は気持ちを言えなくて…どうしても上手く台詞を書けなくて、だけどこんな時こそ描写、そう思って書いたんだ。私の今、唯一出来ることだから。
自分に苛立ってふと見上げた空の、あかるかったことを思い出して、丁寧に書いたんだ。
なにも言えずにしょぼい花火を見上げる彼女の後ろ姿が、私には初めて。みえたんだ。
珍しく構成がバタバタで、だけど珍しくひとがたくさん出てきた割にみんなちゃんと喋ってて、個性がない訳ではなかったんだよ。
届くといいな。
コンビになった漫研の人は、あっさりしたひとなのと〆切が近いのとで、はーいって受け取って 注文あるー?って聞いてくれてと、淡々と進めてくれた。注文は、ほとんどしなかった。この話を読んで、どこをどんな絵にしたくなるのか知りたかったから。
だけど、
明日会ったら感想を、聞いてみようかな。