とても久しぶりに、頭の中でまたあの類の声がした
それ自体はいつものことだけれど、他者を害するよう唆すあの声は久方ぶりだった
どこか懐かしささえ覚える
それに従わなかったら、ちょうど手に持っていた包丁を自分に突き刺して怪我をさせるイメージを見ることになった
今更、自分に向ける自傷など何も思わないのだけれど、小学校時代から続くストレス発散を潰されたのはなかなかに困る
カラオケやドライブ、愚痴を吐き出すといった諸方法は試したけれどどれも上手くはいかなかった
嫌なことがあっても自傷をしないという我慢はできるようになった
時々はタガが外れてカッターナイフの刃を出し入れするけれど、それくらいはじゅうぶん許容範囲のはず
傷を入れようとすると、今までの傷跡が我慢した6年間が責めるように私を見てくる
自傷を禁じてから、時おり自制が利かずに物に当たったけれど、今日はそれさえも打ち勝った
あの人がそれを褒めてくれたことがとても嬉しい
あの人が見放した時、私はきっとあの声に抗おうともしないだろうから
この予想は昔から変わってない、つまり私は昔から何も進歩できていないんだろう
コロコロ変わるものが自分であってたまるか、という反骨精神…いや、ただの中二病か、これも無事に発症できたことだし、まだ頑張れるかな