ずっと死にたくて、相談を聞いてもらって、アドバイスを受けて。その時は納得して、よし頑張るぞ!って思った。つもりだった。でもそれはただハイになってただけなんだろうなって今気付いた。
やってみたいことが見つかったような気がしたからそれを本格的に調べてみた。ふと息抜きにインスタを見たら可愛い女の子がいた。その人のフォローをどんどん辿ると、キラキラした人たちが身内ネタで盛り上がってた。モデル。アイドル。私は何をしてるんだろうと思った。
こんな風になりたいと思ってる。ずっと。
明らかに世の中にはカーストがあって、こういう人たちはいかにもカースト上位。金持ちならカースト上位かってそういうわけじゃなくて。
自分が好きで、自己表現にためらいがなくて、得意で好きなものをアピールしてそれが注目されて価値を生み出すようなそういう人たちの世界。
死にたくなった。また死にたくなった。わたしがそちら側にいけないことが悲しくてしょうがなくなった。美人だったら美人なだけで沢山の人にチヤホヤしてもらえる。「顔が好き!」だけで応援してもらえる。顔しか見てなくてもむしろそれは揺るがない愛だ。顔が商品になって、外見だけで価値になるって本当にありえないこと。それだけじゃない。顔がよくなかったら目すら合わせてもらえない、存在すら認めてもらえないんだから。被害妄想なんかじゃない。私は身を以てそれらを知ってる。
洋服の店を出したいと思ったんです。まあ最近思いついたことなんだけど。でもそんな風に、選ばれた人たちを見てたら、そんなことどうでもよくない?ってなった。それは別に第一希望じゃない。本当の望みは私が理想とするアイドルになりたいんでしょ?わかってた。だからそれに気付いて、また死にたいに戻ってきた。ブスが髪色を変えても、可愛い洋服を着てもどうしようもないって鏡が教えてくれちゃったからね。服を取り揃えたところで、元がこれじゃ意味ないんだよ全部。
一時期アイドルやっていたこともあるけどさ、あんなの私じゃない。ファンから送られてくる写真、自撮りした写真、事務所が撮った写真、どれも「これが私?」っていうブスさ。自分はブスだってことを突きつけられるアイドルは続けられなかった。
今度こそこれがやりたいことだ!よし頑張るぞ!ってテンション上がっちゃったのも思えばただの躁状態だっただけなんだろう。逃避に過ぎないんだ。結局、こんな些細なことで全部終わりだ ってまた鬱になるんだから。また私は生きることができない。
結局本当になりたかったのはさ、
「美人で、スタイルがよくて、才能のあるアイドルで、モデルで、女優で…」
今の私が何かを成し遂げたって、何者かになろうとしたって、元がこれだから結局鏡見て現実に戻ってきたらおしまいなんだよ。全部。
美人になるために努力したって、人間の身体って傷付けると元に戻ろうとする性質があるから整形しても戻っちゃうんだよね。バカみたいだね?ほんと。そうやって努力してる間に、何もしないで生まれつき美人な人は他のことに時間をかけられるのにさ。
まだこんな風に思わなくたって、せめて幸せな家庭で愛されて育ったらよかった。だけど私には愛情すらもないんだよ。スタートラインが後ろすぎするんだよ。足も遅いし。悲しいよ私は。
努力しなきゃ何一つ手に入らないのに、努力の才能もない。メンタルも弱い。これ以上傷付けられて報われない思いするなら努力なんてしたくないよ。それでもその横で今日も知らない子が私の欲しいものを当たり前のように使って、私の欲しいものを当たり前のように手に入れてる。
前世でものすごい悪事を働いてたからその罰とか?だとしても知らねえよ。そんな記憶今の私にはないんだからさ。罰を与えるならせめて記憶をくれよ。反省すらさせてもらえないのに私は何も知らないまま不幸ばかり。反省どころじゃねえよ。新しくまた悪いことしてしまいそうだよ。
せめて人生だけは真っ当に歩もうと、今まで歪んだことはしてこなかった。反社会的なことはしていないし道を誤ることもなかった。本当によくグレなかったね…って言われる。よく言われる。自分でも心からそう思うよ。
でもそんなことして、幸せになれた?報われた?そんなことしなくたって、幸せになれたんじゃないの?
真っ当な道を歩いたところで私はちっとも幸せになれなかった。真っ当な道を歩いた自分を誇りに思うことすらない。だったらちょっと社会から逸脱してても、大人を使って、金を稼いで、傷を舐め合って満たされたかったよ。
共感してほしいわけじゃない。ただ誰かに見てほしかった。知ってほしかった。理解は求めてないけど救われたかった。