彼は毎日私を責める。
責めても責めても責め足りないと言いたげに。
「上から目線が気に入らない」
「偉そうに、分かったような顔しやがって」
「自分も出来てない癖に俺に指図するな」
「大阪弁は嫌いだから俺の前で使うな」
「何度言っても分からない奴には同じことをして俺の気持ちを理解させるしかない」
数え上げたらキリがない。
怒鳴っても怒鳴ってもまだ怒りが収まらない。
「お前の顔なんか見たくない」
「俺のことを勝手に想ってくれるのはいいよ。いちいち口に出すな。」
今日、FaceTime 越しに言われた。
「あなたって、今、私と付き合ってる認識ある?」
「こうやって話してるんだから付き合ってるに決まってるだろ。」
「私はあなたのことをずっと大切で特別な存在だと思って、恋人として付き合ってきたけど、あなたはどうなの?」
「あー、色んな意味で特別だよ。あなたみたいな奴、俺の周りにいないよ。愛だの恋だの関係ないだろ」
既に私の頭の思考回路は完全に停止していたけど、こう聞いた。
「あなたは毎日毎日私にこうして怒りをぶつけていて、私はそれに対して謝っているよ。あなたの気に触ることをしてごめんなさい。もうしないよ、って。私はもう喧嘩なんかしたくないよ。仲直りして、また笑いあいたいよ。でも、仲直りは一人で出来る物じゃない。あなたには私と再び仲良くしたいって気持ちはあるの?」
「あぁ、人間誰でも仲良くできたらと思ってるよ。だがなぁ、俺は今、あなたと仲直りしたいという気持ちより、怒りの気持ちが遥かに超えてるんだよ!お前は俺に仲直りしろって命令してんの?ふざけんな。ふざけんな!明日も電話してやるからな!自分の胸に手を当てて、自分のことを省みろよ」
自分から「別れる」とか「もう終わり」とか一切言おうとしない。
本当にずるいと思う。