今は留学中なのだけれど、どうしても死にたい気持ちが消えない。
半年前くらいに統合失調症だと医者に言われた。自分でもつらいことはたくさんあったし、そう言われても驚くと言うより、納得だったかも知れない。
小さい頃からずっと自分の事を責めるような声が頭の中で聞こえていた。死んだ方が良い、だからお前は駄目なんだとずっと言われているような感じだった。誰かに何かを責められると、それが何倍にもなって頭の中を反響するような感じだ。
自傷もしたし自殺未遂も何度もした。大学のカウンセラーにそう漏らしたら精神科に連れて行かれたり親を呼ばれたりした。「マニュアル的な対応だったんじゃ無いですか」と保健室の先生に言ったら泣かれた。それで自分の価値観というか、考え方が間違っているらしいことに気づいた。
死にたい思いは残っていたけれど、大学中に半年間の留学を決めた。元々帰国子女だったから、英語は問題なかった。
心配だったのは精神面のことで、確実に不安定になると思っていた。薬も一杯持ってきたし、大丈夫だと信じるしか無かった。
今は留学中なのだけれど、正直失敗だったかも知れないと思っている。きちんと寝ているのに講義中に異常に眠気が来たり、身体と頭が重くて講義を休んでしまったり、散々な有様になっている。一つの講義は休みすぎて、救済措置の課題を出されることになっている。
前は自分を殺したいほど憎んでいたのに、今はあまりそんなことも考えなくなってしまった。どうでも良くなったというか、病気のせいで馬鹿になっているのか、それとも自分が堕落したのか、私には判別が付かない。
統合失調症は妄想や幻覚の症状が出る急性期が長いと、その後の消耗期という、無気力などの症状が出る期間も長くなるそうだ。少なくとも小学校の頃から、責めるような声が続いていた自分の消耗期がいつまで続くのか、とても怖い。
留学を決めたのも、自分が普通の人として社会で生きられないと思ったからだ。コンビニでバイトをして散々責められて、急性期の再発のようなこともバイトのことを思い出すと何度も出る。社会で働けるとは到底思えない。
今は大学三年。正直な所、大学院に進むけれど就職活動をしてどうしようもなさそうだったら自殺しようか、迷っている。
カウンセラーさんも大学の保険室の先生も、死なない方が良いと言われるけれど、社会で生きられない、働けない人間を生かしてくれるほど社会は甘くは無いんだろうなと感じている。
親は腫れ物を扱うように僕に接する。障害者手帳を取ったところで、何も変わらない気がする。
死にたくは無い。でも、死ぬべきだとひしひしと感じている。生きていたい意思はあるけれど死ぬべきだという義務感がある。
わがままな話だけれどやりたいことも続けたいこともたくさんある。作曲をしたり小説を書いたりするのが、僕はとても好きだ。出来ることなら仕事にしたいけれど、作曲に関しては僕よりうまい人がいくらでもいるし小説も難しいと聞く。
精神科の薬を飲んでもお酒を飲んでも煙草を吸っても、問題が解決するわけじゃ無い。だったら死ぬしか、根本的な解決はないと思う。
僕には想像の友達がいる。姉さんと呼ぶ女性と優しい大きな犬だ。姉さんは僕が小さい頃、目の前で自殺しようとしたりODしたりする母親の代わりで、犬は父が虐待して死なせた昔飼っていた犬を反映しているのだと思う。
姉さんも死んで欲しくないという。心苦しいけれど、その約束は果たせそうに無い。
僕は集団に馴染めない。全ての集団でそうというわけではないけれど、皆が楽しんでいる中で自分だけ何が楽しいのかさっぱり分からないことが、留学に来てから増えた。協調性や空気を読むことが重要な日本で、自分がうまくやっていけるとは思えない。
大学入試の時は大学に落ちたら死のうと決めていた。結果受かって今生きている訳だけれど、こんなことをいつまでも続けて良いとは思えない。勇気を持って死ななければいけない
名前のない小瓶
62352通目の宛名のないメール
お返事が届いています
ゆにこーん
私と全く同じような方がいらっしゃって驚きました。
現在私も留学中(過去に精神科通い).なのですが、罪悪感と将来への不安。人間関係も下手。友達は毎度いなくなる。そんなような感じで。私は文章がとても下手なのですが、あなたの文章を読んで涙があふれました。
共感したところでという感じなのですけれどもね。
親は嫌なら帰ればいいと私に告げるけれども日本に帰ったところで意味があるのか。果たして私がこの世にいる意味がなんのためにあるのか。最近ますます考えるようになりました。
今日ついにふとぷつりとなにかが切れて涙が止まらずたまたまこのお便りを読んだら共感で涙があふれ出ました。
私があなたの文章を読んであなたの文書の書き方がとても素敵で羨ましい。素敵だ。ただ美しいと思いました。それに想像の友達もいらっしゃりユーモアがあってとても素敵です。
これは私の勝手な意見でおこがましいのですが、とても素敵な文章を書かれるので、
これからも自由気ままに書いてください。
私はあなたの文章とっても好きです。
ななしさん
私と同じ人がいたことに驚いた。
私も現在留学中だが全く同じ気持ちだ。
昔からどこかよくできない自分を責め続けて、今日ふと何かが切れたように疲れ切って涙が止まらなかった。
死のうかと思ったかけどそんな曲もなかったです。
多分おそらく勇気もないんでしょう。私には。
それでネットをぼーっと見てたらたまたまあなたの日記を見つけました。
共感ばかりで涙があふれました。
でもあなたの日記は文章がとても素敵でもったいないほどだと思いました。
とても羨ましいほどに美しい文章です。
冬
どちらに留学されてるのだろう。
よかったら、名前つけて、そちらの様子教えてほしい。
私は海外は佐渡と沖縄しか行ったことないので(笑ってくれたら嬉しいけど、ちょっとヒドイね)。
ななしさん
私の弟があなたと同じ大学3年で統合失調症です。
病気の知識はありますが、本当のところどんなに苦しいかは同じ病気にならないと分からないと思います。
ただ、統合失調症の人は幻聴や幻覚をつくれるくらいで、普通の人より桁違いに創造性があると思います。
僕の夢はみんなが「冒険」できるような仮想世界をつくることです。
ここでいう冒険は、絶対に不可能だろうと周りから言われるようなことを乗り越えることです。
周りが絶対にお前には倒せないっていうモンスターを倒してみせたら、冒険成功みたいな感じです。
それを実現するには、技術力はもちろんですが創造性がかなり重要です。技術は技術者とつながりを持つ機会が多い上にAIがなんとかしてくれる可能性が高いです。
ただ、創造性はたとえAIが優れていようが、人間主体で考えないと面白くないです。
何か足りなくなるのは未来ではない今でもわかります。
だから、小説を書くのが好きな人、創造力を働かしてる人には死なれたくありません。
なんとか、薬などを健康的にうまく使ったり、本を読んだりして知識を高めて自分をコントロールする術を学んだりして生き残ってください。
ちなみに、弟はかなり酷かったんですがうまく気持ちや薬をコントロールして精神科の先生にも驚かれるくらい回復してます。
弟ができたなら、あなたにもできます。
自分の願望だけ伝える形なって申し訳ないですが、もし、僕と同じ夢を持ってる人と出会ったら、協力して頂けると有り難いです。
いっさい空気を読まず、他人の目なんか気にせず、自分のやりたいことだけやって生きてください。実際、僕は空気を読まずにあれこれ言うてます。
就職なんてしなくていいです。
ニートでも関係ないです。
統合失調症なんて関係ないです。むしろ、長所の創造性があることを武器にしてください。障害者年金もらって小説、作曲、自分の好きなことをひたすらやるのもありじゃないですか。
まあ、なんというか個人的に死なないでほしいです。
以下はまだお返事がない小瓶です。
お返事をしていただけると小瓶主さんはとてもうれしいと思います。