タクシーの後部座席。
どちらからともなく上司と手をつないだ。
忘年会の二次会、カラオケの大部屋で
それとなく私の手や髪に触れてきた。
みんな見てたよ。
ほかの上司や先輩が私を心配してくれた。でも私は、あなたの評価と信頼が落ちるのが怖かった。
こうなったのは、私にも責任がある。
よく2人で飲み歩きましたね。
誘われて嬉しかった。私は楽しかった。
不倫はしないって心に決めてつつ、
あなたとの適度な距離をはかり続けていました。
深夜に2人でカフェに行ったとき。
あなたが私の手を握り、髪を撫でた。
上司として不適切な行為ほかならない。遅くまで既婚者と一緒にいる部下の私も軽率だったかもしれません。
ただ不覚にも、嫌な感じがしなかったのです。
先に進んでしまいそうなのが怖かった。
あなたとよく2人で過ごしてるのが知られれば、不倫と誤解されるでしょう。
手をつなぐくらいなら、と思っていたけれどもう片足踏み入れてるのでしょうか。
でもそれと同じくらい怖いのが、
あなたの機嫌が悪くなり、私にきつく当たることなのです。またその可能性が生まれること。親から虐待を受けていたので、理不尽な不機嫌や意地悪は耐えがたい。それくらいなら1回のセックスで許してほしい。そんな自分もまた嫌いになります。
私だって仕事を誇りに思いキャリアを積んでいきたいのです。