※一部、同性愛表現含みます。
これは私の懺悔です。もし、聞いてくれたら嬉しい。
私は今23歳の大学生。
君は、高校の時の先輩で私にとって「初めて好きになった同性の人」だった。
私たちはとても仲がよかった。それを私は「友達として」ではなく「好きな相手」として感じていた。
結果はダメだった。でも、私の事を友達としてとても大事に思ってくれている事を告げてくれた。
嬉しかった。とても。恋愛だけじゃない、幸福な人間関係の形を君は教えてくれたと思ってる。
けど、それから数年が経って、私はどんどんおかしくなっていた。
今思うと環境の変化とそれに付随するストレスが原因なのだと思うんだけど、19歳の春、私には幻聴が聴こえていた。
それもかなり重度で、攻撃的な幻聴だった。一人になると妄想と幻聴が聞こえ、
それに応じて頭の中は混乱し、言動は攻撃的になり、どんどんと「異常」な状態へと堕ちていった。
そんな最中、私は許されざる裏切りを君にしてしまった。
君とは学校というつながりがなくなっても、文通をしたり、たまにあったりする関係が続き「良好な関係」および「親友」だと言える状態が続いていた。
それに対して、当時の私はどうしようもない苛立ちを抱えていた。そして、君に手紙で暴言を吐いた。
君から帰ってきた言葉は「それじゃあ、さよなら。」の一言だけだった。私はその手紙を処分した。
そして数年が経ち、私は「まともな人間」に戻って、君を傷つけた事なんて無かったかの様に暮らしている。
あのあと、私は精神科に入院し、正式な診断を受けた。様々な検査を受けてどうやら私は「統合失調症」だということがわかった。
そして、私はこの間、手紙を出した。宛先は「君」だった。あの時、君を侮辱する様な事を告げた事への謝罪、そして精神的に不安定だったという旨を書いた手紙を送った。
返事は未だ来てない。当たり前だと思う。これは許される事ではないと思う。
私は中学の頃、いじめにあっていたから「被害者の気持ち」が痛いほど分かる。
「傷をつけられた方は、その傷を一生忘れないし、許す事もまた難しい」という事だ。
だから、私はその手紙に「許さなくていいし、返事もいらない。けど、謝らないといけないと思った」とだけ書いた。
返事は未だ来ない。でも、来なくて当然だと思う。
そんな私は今、とある男性とお付き合いをしています。両親に内緒だけど、結婚も視野に入れたお付き合いをしています。
私は、「君」の傷の上に成り立った幸せを生きています。だからこそ、この手を絶対に離してはいけないと強く感じている。
だって、今の恋人の席にいたのは、紛れもなく「君」だったのだから。その席にいた「君」が去って、そこに現れたのが「彼」なのだから。
今の今だから、君の手紙に返事が出来ます。
卑怯に逃げ回って、君を傷つけた事実を私はずっと忘れないし、だからこそ、過去を振り返らずに生きていきます。
「大好きでした、さようなら」。
「人間は不完全であるからこそ、美しい。」
−悪魔ちゃん語録より